【MELIAMANNAの菜園 vol.4】キュウリ・オクラ・ナス・ニラ・ピーマンの種まき

2024/05/04 2024/08/11 自然栽培

はじめに

サイトを見に来てくれたみなさん、こんにちは!
MELIAMANNA(メリアマナ)代表の有吉です。

MELIAMANNAとは、大学院で植物を学んだ代表が”衣食住”に植物を取り入れた暮らしを楽しみ、追求することをテーマとして活動しているサイトです。


今回の記事は、【MELIAMANNAの菜園 vol.4】。自然栽培への取り組みを記録している連載です。

2024年5月4日にキュウリ・オクラ・ナス・ニラ・ピーマンの種まきをしたので、その様子を報告していきますね。いよいよGWに突入し、最低気温は15℃付近で安定するようになってきました。ということで、夏野菜の種子や苗でも、寒さにやられることはもう確実に無いだろうという判断で種まきに踏み切りました。まずはしっかりと発芽して、順調に成長してくれるといいな!

この日の気候と暦

この日は夕方ごろに畑に到着して作業しました。5月4日は立夏の前日。まだ5月に突入したばっかりですが夏はもうすぐそこに迫ってきていて、既に日中は灼熱地獄になりつつあるのでこれくらいの時間帯で作業するのがちょうどいいです。昼間に外出たら死にそうだし。日焼けしたら体力消耗しちゃうし。

ということで、この日は夕闇が空を覆ってしまいそうになる時間帯くらいまで作業したので、全体的に写真が暗いです。ご了承を!

また、ここの項目では「**月頃に〇〇の花が咲いているから△△の種まき適期だよね」みたいな自然歴に関する情報を書いていこうと企んでいたのですが、3月の下旬に満開の桜を見て以降、菜園の周囲では開花している植物をなかなか見かけていないのが現状。実際、自然暦など無くてもなんとかなるっちゃなるのですが、四季を通して自然暦の目安となるような植物が次々と開花していく環境をゆっくりと創り上げていくのも面白いのではないか、と思い始めました。実行するかどうかは、気分次第…。

現状のおさらいと種まきの計画

上の図は【MELIAMANNAの菜園 vol.2】で載せた2024年3月31日時点での作付状況ですが、今回は右側の小さなスペースを使って、石倉一本ねぎと同じ畝にキュウリを、その上の空いている畝にオクラを、チャービルと同じ畝にナスのを、その上の空いている畝にニラとピーマンを種まきしていきます。

つまり今回の作業では、右側の小さなスペースが図の下から順に
・ネギ&キュウリ
・オクラ
・チャービル&ナス
・ニラ&ピーマン
という作付状況になることを目指します。

下準備に関してですが、石倉一本ねぎとチャービルを植えている場所は既に畝が完成しているので特にやることはありません。適切な場所に穴掘って種子を播くだけ。しかしオクラ、そしてニラとピーマンを植えるスペースは、以前耕運機をかけて耕してはいるものの、それから特に何もしていないのでまずは畝を立てる必要がありますね。

ということでお次は、実際の作業について畝ごとに報告していきます。

石倉一本ネギ + ときわ地這きゅうり

今回はコンパニオンプランツとして、「石倉一本ねぎ + ときわ地這きゅうり」の組み合わせで栽培してみることにしています。

石倉一本ねぎについてはvol.2で紹介しているので、今回はときわ地這きゅうりについて軽く紹介してみますね。

ときわ地這きゅうりとは、その名の通り地面を這いながら育つきゅうりの品種で、固定種です。一般的にきゅうりは蔓を伸ばして上へ上へと成長する植物ですが、今回は一緒に栽培するネギを上から覆ってしまわないように、「ときわ地這きゅうり」を選びました。(そんなに高さはないけど)上方向に成長するねぎと、地表を横方向に這いながら成長するときわ地這を同時に栽培するというイメージ。上手くいくといいな。

ちなみに種子は長崎の松尾農園さんから、種子消毒なしのものを購入してみました。松尾農園さんのウェブサイトではときわ地這について

固定種なので、あまり揃いは良くありませんが…
キュウリの風味が濃くて、歯切れの良い食感という「おいしさ」
地這栽培できる「手軽さ」
暑さに強いという「育てやすさ」
など、家庭菜園としては申し分ない品種だと思います。

ちなみに…
同じ固定種でも、黒いぼ系の「相模半白節成」と違って…
「ときわ地這」は、皮が薄く、苦みも少ない白いぼ系の品種になります。

〜途中略〜

短所は2つ。
「トゲが鋭いこと」と「日持ちがしないこと」です。

*1

という説明がなされていました。

松尾農園さんの説明書き、とても丁寧なのに加え、野菜に対する大きな愛が感じられるのでとても好きだなーと思っています。F1でも固定種でも、他の種苗会社では見ないほどびっしりと説明が書いてあって、ここは信頼できるなと感じたので、今年使用する夏野菜の種子の大半は松尾農園さんから購入しました。今後もお世話になりそうです!

ネギとキュウリのコンパニオンプランツについて

さて、種子の準備ができたところでさっさと種まきをしたいところではありますが、ここでひとつ問題が。

vol.2でもこの問題に言及していますが、それはキュウリの種子を播く場所について。

そもそも作付計画の段階では、コンパニオンプランツとして「石倉一本ねぎ + ときわ地這きゅうり」の組み合わせで、同じ畝を使って栽培しようと考えていました。これは、ネギ属の植物の根に共生するバークホルデリア・グラジオリという細菌が持つ抗菌効果により、うどんこ病をはじめとしたキュウリの病気の原因となる菌類を抑制する効果を期待したのに加え、地這キュウリをマルチングとしても用いることで、雑草の抑制や表土の乾燥防止を期待してのことです。

しかし、いざネギの種まきの段階になって土を盛り上げてみると、「ここにどうやってきゅうりを種まきしようか」という疑問が…(マジでアホ)。あの組み合わせって、土寄せが不要な葉ネギを使う前提での話なんですかね? それとも、根深ネギで土寄せしつつもきゅうりと組み合わせて栽培する方法があるの?

【MELIAMANNAの菜園 vol.2】ネギ・チャービルの種まきと、ジャガイモ・スナップエンドウの間引き

この文章だけでは伝わりづらいかもしれないですが、つまりは「石倉一本ねぎ」は根深ネギの品種なので、畝の両側に土を盛っておいてネギの成長とともに順次土寄せしていく必要があるけど、これから土を崩していく場所に一緒にキュウリなんか植えれんくない? という話。

うーーーんどうしようかなとずっと悩んでいましたが、一生懸命考えた末に出した結論はこちら。

ときわ地這きゅうりの種まき

そう、畝の肩に植えるという方法。

これならば、畝の両側に盛り上げた土をネギの土寄せに使えるし、ネギとキュウリとの距離感もある程度近いので、ネギとキュウリのコンパニオンプランツとしての効果も期待できるのではなかろうかと。もう初めての試みすぎるので、結果を楽しみに待つことぐらいしかできませんが。

キュウリの種まきは、株間が60cmで畝肩に1条、1ヶ所に3粒点播きして、5mmほど覆土してから手のひらで鎮圧しました。表土が乾燥するのを防止するため、そこら辺の雑草を刈って種を播いた場所に被せて完了。翌日が雨の予報だったので、水やりは行ないませんでした。

ダビデの星 (オクラ)

続いてはオクラ。ダビデの星 Star of David というなんとも象徴的な品種を発見したので、即決で種子を購入してみました。調べてみるとイスラエルの伝統品種のよう。幾何学好きの僕にはたまりません✡

こちらの種子も、松尾農園さんから種子消毒なしで国産のものを購入。

オクラの原産地はアフリカ大陸の熱帯地域とされており、発芽適温が25~30℃、生育適温は20~30℃とかなり暑い条件を好む植物なので、いくら福岡で5月に突入したとはいえ、夜の冷え込みで低温にやられないか気を遣いますね。今回は黒のビニールマルチを張って栽培するので、オクラにとって心地よい季節が到来するまでに、なんとか地温を確保できることを祈ります。

オクラの畝立てと種まき

オクラに使用するスペースは以前に耕運機をかけて耕しただけだったので、種子を播く前にまずは畝立てを行ないました。
畝は高さ約10cmの平畝で、畝幅が約70cm、雑草防止および地温の確保のために黒のビニールマルチを張ります。


畝立てが完了したところで、最後に種まきを。
株間が50cmで1条、1ヶ所に3粒点播きして、1cmほど覆土してから手のひらで軽く鎮圧しました。キュウリと同様に、表土が乾燥するのを防止するため、そこら辺の雑草を刈って種を播いた場所に被せて終了。翌日が雨の予報だったので、水やりは行ないませんでした。

チャービル + 翡翠ナス

続いては、チャービル + 翡翠ナスの組み合わせに移ります。

既に種まきを終えているチャービルについてはvol.2で触れているので、今回は翡翠ナスについて紹介。

翡翠ナスとは薄い黄緑色の皮を持つナスの品種で、固定種です。青ナスとも呼ばれますね。スーパーなどではほとんど見かけることはないですが、超トロトロしててばり美味いんです、青ナス。ナスは着果させるのが難しいとされている作物ではありますが、できるサポートはしっかりとしてあげて、美味い青ナスを食べたいところです。

ナスの種子も松尾農園さんで購入しましたが、これはグリーンマーケットさんの有機種子になりますね。

翡翠ナスの種まき

こちらのスペースは、以前チャービルの種まきを行なったタイミングで畝は完成しているので、あとは翡翠ナスの種子を播くだけです。

チャービルを植えている間のスペースに、株間30cmの1条で、1ヶ所あたり3粒点播きし、5mmほど覆土したら上から手のひらで鎮圧しました。これまでと同様、表土が乾燥するのを防止するため、そこら辺の雑草を刈って種を播いた場所に被せました。ナスは特に初期の乾燥を嫌うそうなので、乾燥対策は念入りにということで、翌日が雨の予報でしたが軽く水をかけて完了としました。

大葉ニラ + 伊勢ピーマン

最後に種まきするのは、大葉ニラ + 伊勢ピーマンの組み合わせ。

どちらも松尾農園さんで購入した、固定種・種子消毒なしの種子になります。

伊勢ピーマンに関しては

この「伊勢ピーマン」は、長さ6~7cm、直径3~4cmほどの小型の品種になります。

きちんとした資料が見つからなかったので、詳しい歴史は分からないのですが…
インターネット上では「甘唐から誕生。」や「F1品種の親として使用。」などの記載が見られました。
辛味が出ることがありますので…
「甘唐から誕生。」というのは、信憑性があるように感じます。
ピーマンの固定種は、ほとんど販売されなくなってしまいましたが…
現在まで途絶えずに残っている歴史ある品種であることは、間違いありません。

*1

ということで、現代に残っている数少ないピーマンの固定種であることが窺い知れます。自分の菜園では種とりをしていこうと決心している以上、このような立ち位置の品種を積極的に栽培し、たとえそれが日本の片隅の小さな試みであったとしても、種子を後世に繋いでいく役割の一端になればなと。


また大葉ニラに関しては

休眠が浅く、周年栽培可能な品種!
ニラは休眠すると、生育が止まって、収穫できなりますが…
この品種は、休眠が浅く、暑さや寒さにも強いので、周年栽培が可能です。
葉幅は1cmと幅が広く、肉厚でやわらかなので、おいしいです。
生育旺盛で、再生力が強く…
葉幅も狭くなりにくくて、下葉枯れも少なく、育てやすい品種です。
ニラは多年草ですので、1度育てば、5年くらい収穫することができます。

*1

ということで、多年性であるというニラそのものの性質的にも、休眠の浅さや、強い耐寒性・耐暑性を持つという品種の特性的にも、比較的手間をかけずに長期間栽培・収穫できそうです。こうやって安心して収穫を見込めそうな作物をひとつでも混ぜておくことは、体力的にもメンタル的にもとても大切なことだと思っています。こうして基盤となる作物があることで、例えば翡翠ナスみたいな栽培が難しそうな品種を飛び道具的に試しながら楽しめるというか!

畝立てと種まき

大葉ニラと伊勢ピーマンに使用するスペースは以前に耕運機をかけて耕しただけだったので、種子を播く前にまずは畝立てを行ないました。
畝は高さ約10cmの平畝で、畝幅が約70cm、雑草防止のために黒のビニールマルチを張ります。


畝を立てたら、最後に種まき。

大葉ニラ用に、株間20cm、条間20cmの3条でビニールマルチに植え穴を開けて、1ヶ所あたり10粒くらい点播きし、5mmほど覆土してから手のひらで鎮圧しました。

伊勢ピーマンは、大葉ニラを植えた3条のうち中心の1条を使って、株間60cm、1ヶ所あたり3粒を点播きし、5mmほど覆土してから手のひらで鎮圧しました。

これまでと同様に、表土が乾燥するのを防止するため、そこら辺の雑草を刈って種を播いた場所に被せて終了。翌日が雨の予報だったので、水やりは行ないませんでした。

おまけに、他の作物の現在の様子

種まきの報告が完了したところで、現在作付されている他の作物の様子について報告してみますね。

スナップエンドウ

スナップエンドウは満開を迎えています。約6mの畝にずらっと植え付けていますが、この日の時点で花数が50は優に越えているなという印象。もう既に開花が終わり、鞘が膨らみ始めているものもありました。スナップエンドウは開花から約20日後に収穫適期を迎えるとされているので、5月の下旬ごろにはいっぱい収穫できるかな!

ただし残念なことに、虫食いにひどくやられてしまい、ほとんど株ごとダメになってしまったのも3~4株ありました。葉の虫食いがあることにはずっと気がついていたので時たまに観察してみてはいましたが、結局原因となる昆虫を見つけることはできず。いったい犯人は誰だったのだろう?

2種類のジャガイモ

「名前忘れた」「アンデスレッド」の2種類ともに順調に葉を茂らせています。冷涼なアンデス山脈が原産のジャガイモは、5~6月にかけて気温がジリジリと上昇してくるのに耐えきれず、地上部の茎葉が枯れ込んできたタイミングが収穫適期と言われていますが、今のところ茎葉は青々としていてまだまだその予兆はありません。ジャガイモのスペースが空かないと夏野菜の種まきができないので、早く収穫時期が来てほしい気持ちは山々ですが、ゆっくりと様子を見守ってあげましょう。

また今回様子を観察していると、「名前忘れた」にはなんとも毒々しいビジュアルの薄紫色の花が開花していました。そもそもナス科の植物には強い毒を持つものが多いから超先入観かもしれないけれど、何だかジャガイモの花には途轍もない毒々しさを感じてしまう自分がいるんですよね。と同時に、「毒々しさって美しいよな」と感じる自分もいますw そしてもし本当にジャガイモの花にも毒があるのなら、「それはソラニンやチャコニンだろうか?」「それとも他の種類の毒?」「そもそも無毒?」 みたいな疑問が絶えないから全然眠れませんw

毒って、魅惑的だよね。

現在の作付状況と、今後の予定

◎作付状況
作付状況は上の図の通りです。いよいよ栽培品目も増えてきていて、やっと菜園らしくなってきたかなという印象!

◎今後の予定
直近の予定としては、以下の3つ。
・スナップエンドウの収穫(5月下旬ごろ)
・ジャガイモの収穫(気温の上がり具合にも左右されるかもだけど、5月下旬〜6月上旬?)
・トウモロコシ・インゲン・カボチャの種まき(5月中に)

2024年はずっと、親戚の皆と一緒に作業ができる週末に土砂降りなことが多いですが、天気と上手にお付き合いしつつ、大量にやってくる作業を身軽に捌いていきたいところです。

参考にした情報

*1 種の専門店 松尾農園 オンラインショップ (2024年5月)
 https://matsuonouen.net/

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