もくじ
はじめに
サイトを見に来てくれたみなさん、こんにちは!
MELIAMANNA(メリアマナ)代表の有吉です。
MELIAMANNAとは、大学院で植物を学んだ代表が”衣食住”に植物を取り入れた暮らしを楽しみ、追求することをテーマとして活動しているサイトです。
今回の記事は、【MELIAMANNAの菜園 vol.2】。自然栽培への取り組みを記録している連載です。
2024年3月31日にネギ・チャービルの種まきと、春作ジャガイモ・スナップエンドウの間引きを行なったので、その様子を紹介していきます。いよいよ4月に入ろうかという時期で、とても過ごしやすい気候になってきましたが、それは植物にとっても同じこと。作業量がだんだんと増えてきたので、そろそろ畑作業に気合いを入れていく必要がありそうです。
この日の気候と自然暦
いつもよりゆったりと、8時前くらいに起床。2月に作業をした時には、暖房ガンガンで寝袋にくるまって寝ていたのに、今回は少し厚着してブランケットを被ればそれで十分でした。そして何よりも、木の廊下にぬくもりが戻ってきたことが何よりも嬉しい。夜、真冬の廊下をトイレに向かって歩いて行く瞬間なんて、地獄でしかなかったから。こうして真冬の厳しさに緊張していた身体が一転、春の暖かさで緩みに緩みまくっているので、正に「春眠暁を覚えず」な状態。暁とはいわず、1日中眠たいね〜。
今日は8時に起床して、朝ごはんを楽しく食べて、それから畑に出る、なんて呑気な朝だったけど、こんなことをしてられるのもあと1~2ヶ月ぐらいかな。暑さがやってきてしまった時には5時起きだろうか。
畑やその周囲で開花していたのは、桜・桃・鈴蘭水仙・矢筈豌豆(ヤハズノエンドウ)・チューリップ・蔓日々草(ツルニチニチソウ)。2月に満開だった梅は、とっくに花を散らせて展葉を始めていました。ちなみに3/7に畑の様子見をした時には、白木蓮(ハクモクレン)の花がこれ以上ないほどの満開で圧巻でした。木蓮は圧倒的に紫派だけれども!
このような花々の中で、一般的に自然暦の目安とされているのは、白木蓮と桜でしょうか。
ネギの種まきの適期は、白木蓮が咲いた頃と言われます。辛夷(コブシ)の開花に合わせても構わないでしょう。また春の彼岸(3/17~3/21)を目安にしてもいいですね。
チャービルの種まきの適期は、桜が咲いた頃と言われます。平均気温が15~20℃くらいなイメージですね。
まずは下準備
上の図は【MELIAMANNAの菜園 vol.1】で載せた2024年2月18日時点での作付状況ですが、今回は右側の小さなスペースにネギとチャービルを播種するので、まずは下準備を行ないます。
2~3年間の耕作放棄地時代の名残である、わけわからんほどの雑草や、そのままにしてあったビニールマルチの除去は1月に予め終わらせてあります。ですので今回の作業では全面に耕運機をかけ、また宿根草の根を可能な範囲で取り除くことで、これから畝立てをできる状態にまで持っていきます。
これらの作業を終えた時の様子がこちら。
ネギの種まき
作業のできる日が雨続きだったこともあり、春の彼岸明けから10日経過してしまい、また白木蓮や辛夷も疾うに散ってしまっているので、なるべく早めにということでネギの畝立てと種まきを行ないます。
使用する品種は、石倉一本ねぎ(Ishikura Long White)。根深ネギの一種ですね。
種子はグリーンマーケットさんで購入しました。有機栽培種子、無化学消毒の固定種。ここのショップでは、種子が認証対象外の有機JAS規格に取って代わり、独自基準を設けることで有機種子の普及を目指していらっしゃいます。たいへんグッド!!!
畝立て
今回は、畑の右側の小さなスペースに畝幅約70cmで畝を1本を立て、そこに石倉一本ねぎを播種します。
根深ネギなので、収穫までの期間で数回に分けて土寄せをして行く必要があるため、畝の中央に20cm強の深さで1列の溝を掘り、その両脇に土を盛っておきます。同様の理由から、ビニールマルチは行ないません。
種まき
畝立てという名の溝掘りが終わったら、いよいよ種まき。
方法はシンプルで、畝中央に掘った溝に種子をパラパラと条蒔きしていきます。種子は1cmぐらいの等間隔で蒔くようにするのが理想ですが、そんな高度なことは初心者にとっては理想のまた理想です。
溝に種子を蒔いたら、5mmくらい覆土し、上から手のひらで鎮圧。
種を蒔いた溝に、表土が乾燥するのを防ぐために枯れ草でマルチングし、次に表土へ湿り気を与えるために軽く水を撒いて完了としました。
懸念材料としては
・土壌が適度な湿り気を保ち、種子がちゃんと発芽してくれるか。
・逆に、降雨の水が溝に溜まって水分過多となり、発芽が阻害されないか。
なんとなくですが、水持ち・水捌けともに良さそうな土壌という印象なので、大丈夫と祈ります。成るように成る!
ネギとキュウリのコンパニオンプランツについて
ここでちょっとおまけの話。
そもそも作付計画の段階では、コンパニオンプランツとして「石倉一本ねぎ + ときわ地這きゅうり」の組み合わせで、同じ畝を使って栽培しようと考えていました。これは、ネギ属の植物の根に共生するバークホルデリア・グラジオリという細菌が持つ抗菌効果により、うどんこ病をはじめとしたキュウリの病気の原因となる菌類を抑制する効果を期待したのに加え、地這キュウリをマルチングとしても用いることで、雑草の抑制や表土の乾燥防止を期待してのことです。
しかし、いざネギの種まきの段階になって土を盛り上げてみると、「ここにどうやってきゅうりを種まきしようか」という疑問が…(マジでアホ)。あの組み合わせって、土寄せが不要な葉ネギを使う前提での話なんですかね? それとも、根深ネギで土寄せしつつもきゅうりと組み合わせて栽培する方法があるの?
ということで今後の選択肢を考えてみると、こんな感じに。
・畝の脇の通路で地這きゅうりを育てる(ネギと距離が離れるのでコンパニオンとしての効果は未知数)。
・地這きゅうりは、石倉一本ねぎとは別の畝で育てる(コンパニオンを諦める)。
・ネギの土寄せをしつつ、同時にキュウリも育てる方法を模索してみる。
迷いに迷って決まらなかったら鉛筆コロコロで決めます!
チャービルの種まき
お次はチャービル。フランス語ではセルフィーユ。ざっくり言うとパセリの仲間で、もちろんセリ科の植物です。先ほども書きましたが、桜が開花して、気温が15~20℃あたりのタイミングが種まきの適期と言われます。
こちらも有機栽培種子、無化学消毒の固定種。かなり大量に入っていたのでだいぶ持て余していますが、調べているとチャービルは薹立ちしやすいっぽいので、栽培にちゃんと成功したらいくつかの株はそのまま薹立ちさせて、セリ科作物の自家採種を練習してみたいところ。
また今回は「チャービル + 翡翠ナス」の組み合わせで栽培する予定。チャービルをマルチングとしても使用して表土の乾燥を防止することで、ナスの着果と肥大化を期待するのに加え、日陰を好むチャービルをナスの葉で遮光してあげる効果を期待してのこと。ナスはもう少し気温が上がってから種まきをします。
畝立て
畑の右側の小さなスペースに畝幅約70cmの畝を1本を立て、そこをチャービルと翡翠ナスに使用します。
チャービルとナスともに比較的湿り気を好むとのことで、今回は高さ約10cmの平畝にしてみます。チャービルをマルチングとして使用してみるので、ビニールマルチは行ないません。
種まき
畝立てが終わったら、チャービルの種まきをします。
株間30cm、条間30cmの2条植え。
1ヶ所5~6個の点蒔きで、種子が隠れる程度に5mmほど覆土し、上から鎮圧しました。
こちらもネギと同様、表土が乾燥するのを防ぐために枯れ草でマルチングし、表土へ湿り気を与えるために軽く水を撒いて完了としました。
ジャガイモの間引き
今回の春作は、「アンデスレッド」「名前忘れた」の2種類のジャガイモを植えていますが、アンデスレッドのみ、芽がぐんぐんと伸びて既に20cm程に達していました。植え穴が10cmと深植えしたのに加え、2/18の植え付けからかなり雨が多かったので、種芋が腐ってしまわないか心配していましたが、今のところは全然問題なさそう。元気に育ってくれると嬉しいですね!
アンデスレッドは、どの植え穴からも芽が4~5本出ていたので、2~3本になるまで間引きしました。また実験的に、8株だけ間引きせずにそのまま育ててみることにしました。
で、こんなにも元気な「アンデスレッド」とは対照的に、「名前忘れた」の方は全然芽が出ておらず。3ヶ所の植え穴から、1cmくらいの芽がちょびっと顔を覗かせているのみでした。原因を考えてみると、種芋を植え付ける段階で「アンデスレッド」は既に芽が1cm程伸びていたのに対し、「名前忘れた」は全く芽が出てきていなかったので、単に芽が出るのに時間がかかっているだけと予想します。期待を込めて見守ってあげるだけですねー。
スナップエンドウの間引きと支柱立て
間引き / 支柱立てとネット張り
2024/02/18に播種したスナップエンドウは、全ての植え穴から4~5本発芽していました。1ヶ所あたり4~5個の点蒔きをしていたので、発芽率は100%に近いですね。素晴らしい!
幼苗は成長良好で、既に20cm近くに達していたので1~2本まで間引きを行ないました。そしてこれからの成長に向けて支柱を立て、ネットを張り、上に登っていけるように幼苗をネットに絡ませてあげて、今日の作業は全て完了。
親戚2人と自分の計3人で作業を行いましたが、超捗った!超有意義! な一日でした。
現在の作付状況と、今後の予定
◎作付状況
左側の大きなスペースには、ジャガイモ2畝とスナップエンドウ1畝。
右側の小さなスペースには、石倉一本ねぎ1畝とチャービル1畝。
◎今後の予定
ジャガイモ「名前忘れた」は発芽が遅れていますが、順調に芽が出れば10cmに達したタイミングで間引きします。
ジャガイモ「アンデスレッド」とスナップエンドウは、間引きまで終わったので、このまま収穫まで様子を見守ります。
石倉一本ねぎとチャービルは、発芽するまでできるだけ土がカラカラにならないように、必要に応じては少し水やりしながら管理します。発芽後も乾燥に気をつけつつ、苗がある程度成長したらまた間引き作業をしなくては!
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