もくじ
はじめに
サイトを見に来てくれたみなさま、こんにちは!
MELIAMANNA(メリアマナ)店主の有吉です。
MELIAMANNAとは、大学院で植物学について学んだ店主が
”衣食住”に植物を取り入れた暮らしを楽しむことをテーマとして
2023年に立ち上げたサイトです。
今回の記事の主役は、チランジア・イオナンタ・フエゴ!!
12月に開花期が到来して紫の花が顔を出し、それと同時に葉が深紅に色づいたので
写真と共にその様子を紹介したいと思います。
うだるような暑さだった2023年の夏を乗り越え、やっと秋が到来しましたね。
それとも、もう12月に入ったので既に冬が到来しているのでしょうか?
記事を書いている今日の福岡は、12月なのに20℃オーバーなんですけど…。
ま、どちらにしろ、10月の末まで続いた殺人的な灼熱は影を潜め
我が家のたくさんの植物たちは、休眠前に今年最後の成長を見せてくれていて
なんとも視界の中が煌びやかに輝いている季節です。
その中でも、ひときわ目を引く存在が、チランジア・イオナンタ・フエゴ。
あたりまえだけど、緑色の葉をした植物が部屋やバルコニーにずらっと並ぶ中で
深紅に色づいた葉を輝かせているその孤高な存在感は、圧巻の一言。
今回の記事では、そんなイオナンタ・フエゴの写真に加えて
イオナンタ・フエゴにまつわる基本的な情報や
開花しちゃうほど元気に育てていくためのコツについて紹介してきますね。
深紅に燃え盛るイオナンタ・フエゴを見よ!!
10月の後半まで続いた灼熱地獄がひと段落した、2023年の11月。
このぐらいの時期から、いつもにも増して葉が真っ赤に色づきはじめたので
「開花、、、来るか、、、!?」と待ち侘びながら日々お世話をしていたのですが
ちょうど12月に突入したタイミングで、我が家のイオナンタ・フエゴが開花しました。
やったぜ!!!!!!!!!!!!!!!!
他のエアプランツと違って、燃えるような赤色の葉を携えている品種なので
毎日飽きずに見惚れちゃうほど、一年中鑑賞価値があるのですが
やっぱり、やっぱり、花が咲いたらめちゃくちゃうれしい!!!
しかも、開花に伴って葉の赤さがより一層強烈になっていて、魅力が突き抜けちゃっています。
エアプランツの開花期の姿は、筆舌に尽くし難いですね〜〜〜。
ということで、開花したイオナンタ・フエゴの写真をご覧あれ!!
めっっっっっちゃくちゃ綺麗じゃないですか?
燃えるような葉の赤と、花の紫が調和していて、とても美しい。
葉の赤色が映えるかな〜と思って、写真は秋の西日を受けるバルコニーで撮影してみました。
僕的には、燃え盛るような深紅のイオナンタ・フエゴの姿を見ているといつも
羽を燃え立たせながら夜空を駆ける鳳凰の姿を連想してしまいます。
なんだか、ファンタジーの世界に引き込まれたみたいです。
イオナンタ・フエゴについての紹介
葉が真っ赤に色づき、鮮やかな紫の花が開花した様子を見ていただいたところで
お次はイオナンタ・フエゴの基本的な情報について紹介してみますね。
和名:チランジア・イオナンタ・フエゴ
学名:Tillandsia ionantha ‘Fuego’
分類:パイナップル科 Bromeliaceae
原産:メキシコ〜中央アメリカ (原種のT. ionantha)
環境:樹木に着生する
開花:不定期??
◎名前について
エアプランツの最普及種と言っても過言ではないチランジア・イオナンタの園芸品種であり
Tillandsia ionantha ‘Fuego’ という学名がつけられています。
種小名である”ionantha”とはラテン語で「スミレ色の花」という意味で
品種名である’Fuego’とはスペイン語で「炎」という意味。
鮮やかな紫に色づく花と、燃え立つ炎のような葉の様子を表現していて
シンプルながらも、詩的な知的さを感じる名前ですね。
ちなみに、セントポーリアの仲間でアフリカスミレと呼ばれる植物にも
Saintpaulia ionantha (セントポーリア・イオナンタ) という学名が当てられています。
もちろん、鮮やかなスミレ色のかわいい花が咲きますよ〜。
とてもとても長い道のりですが、こうして植物の名前への理解が深まっていくと
花が何色だとか、葉の形がどんな様子をしているかとか
そんなことがなんとな〜〜く予想できることもあって、とても面白いのです。
◎分類について
イオナンタ・フエゴは、パイナップル科 Bromeliaceae に属しています。
パイナップル科の植物のほとんどはアメリカ大陸に分布していて
樹木に着生している植物が多いのが、とても大きな特徴ですね。
また、南国の植物らしく、原色でどぎつい色の花を咲かせることも特徴でしょうか。
◎生育環境について
チランジア・イオナンタは、メキシコ〜中央アメリカの国々に分布しており
標高が0m~1,800mの地域で、樹木に着生しながら生育しています。*1
生育地は、低地・山地・マングローブ・渓谷・高速道路など、多岐にわたっているようです。*1
「高速道路???」と、とっても不思議に思いますが
チランジア・イオナンタの種子は風で散布されるみたいなので *1
たまたま強風に乗っかって飛ばされ、高速道路沿いの樹木の上なんかで発芽すれば
ありえなくもないような感じがします。
というか、実際にありえる話だから書いてあるのかw
火のないところに煙は立たぬ、です。
◎開花期について
日本でのイオナンタ・フエゴの開花期なんですが……
不定期!!! としか言いようがないんですよね、これが。
これはフエゴに限らず、イオナンタ全般においてです。
もしかしたら、自生地の中央アメリカでは毎年決まった時期に開花するのかもしれませんが。
僕のイオナンタ・フエゴは今回、2023年12月に突入したタイミングで開花したんですが
実は、この株を手に入れた2023年5月頃にも、家に連れ帰るなり満開になったんですよね。
このように、調子が良ければ年に2回開花するなんてこともあります。
あえて開花時期を言うとすれば
「冬→春」「秋→冬」ぐらいの、季節が移り変わるタイミングでしょうか。
個人的なイメージなので、「へえーーー」ぐらいのテンションで受け止めてください。
イオナンタ・フエゴを上手に育てるためのコツ
◎住と植物
MELIAMANNAでは、植物を”生活を共にするパートナー”と捉え
住まいを植物で彩るためのアイデアや、植物を上手に育て上げるための知恵を発信しています。
今回は、イオナンタ・フエゴの栽培のコツについて書いてみようと思います。
まずMELIAMANNAでは、植物を上手に育てるコツを掴むためには
その植物が本来生きている環境を想像してみようということをお伝えしています。
というのも、植物も生き物なので、環境の得意不得意があるからです。
その植物が本来生きている環境、つまりは得意な環境を理解してあげて
それをイメージしながら水をあげたり、太陽に当てたりすることで
植物を元気に育て上げることができるのです。
イオナンタ・フエゴの生育環境
イオナンタ・フエゴについて紹介したところでも触れましたが
この植物は自然界では、樹上に着生しながら生き延びています。
ということは、地面まで根を下ろして、常に土から水分を吸収しているわけではなく
その代わりに、樹上で降雨や霧を待ち、それらの水分を葉から吸収しながら成長しています。
しかし、いくら降水量の多い熱帯・亜熱帯の中央アメリカに分布していると言えども
そこでは、降雨や霧が永遠に続いている、なんてことは当然あり得ず
それらが止めば、樹上のエアプランツは風に触れてすぐに乾燥してしまうわけです。
このような、イオナンタ・フエゴの生育環境を理解してあげた上で
お次は育て方のコツを掴んでいきましょう!
水やりと風について
今読んできたように、チランジア・イオナンタは、本来の生育環境では
降雨や霧で濡れる → 風に当たって乾燥する →降雨や霧で濡れる → 風に当たって乾燥する
のサイクルを永遠に繰り返しているわけですね。
これから分かることは、チランジア・イオナンタは湿乾のメリハリを好むということ。
ずっと濡れている状態をとっっっっっっても嫌います。
葉の内側などに水が溜まって濡れた状態が続くと、腐ったように溶けて、ダメになってしまいます…。
つまり、チランジア・イオナンタを上手に育てていくためには
「霧吹きでしっかり濡らす → 風に当ててしっかり乾かす → 霧吹きで……」のサイクルで
湿乾のメリハリを意識しながら、水やりをして、風に当てることがとっても大切です。
これさえ上手くやれば、元気に育ちますよ〜。
日当たりについて
これも今読んできたように、チランジア・イオナンタは樹上に着生しながら生きています。
実際にエアプランツが着生しているのは、樹木の幹の部分なので
光の環境的には、頭上に広がる葉の間から光が差し込んでいるような環境です。
これからわかることは、チランジア・イオナンタは遮光された光を好むということ。
直射日光の当たらない明るい日影で育てるか
直射日光の当たってしまう場所では、レースカーテンや寒冷紗で遮光しましょう。
春・秋の直射日光や、夏の午前の直射日光であれば、当てて大丈夫な場合もあるかと思いますが
葉焼け防止のため、できるだけ直射日光を当てずに、明るい日陰で育てるのがオススメです。
イオナンタ・フエゴの季節ごとの育て方まとめ
最後に、イオナンタ・フエゴの育て方を季節ごとに簡単にまとめてみますね。
福岡県福岡市に住んでいる僕の環境での話ですので、参考までに!
季節 | 成長 | 開花 | 水やり | 管理場所 |
春 (4~6) | 成長 | ○ | 3日おき~毎日 | 北側の屋外。明るい日影。 |
夏 (7~9) | 成長 | ー | 毎日 | 北側の屋外。明るい日影。 |
秋 (10~12) | 成長 | ○ | 3日おき~毎日 | 北側の屋外。明るい日影。 |
冬 (1~3) | 休眠 | ー | 週1ほど | 南側の屋内。陽が差し込む所。 |
◎水やりについて補足
普通の園芸植物と同じなんですが
休眠が明ける4月頃は、これからの成長に向けて徐々に水やりの頻度を増やしていき
成長が止まる12月頃は、これからの休眠に向けて徐々に水やりの頻度を減らしていきます。
またどの時期でも、水やりの後は、風に当ててしっかりと乾かすことを意識しています。
◎管理場所について補足
最低気温が安定して2ケタを超える / 2ケタを切るタイミングを目安に
屋外に出す / 室内に取り込むの切り替えを行なっています。
散発的な軽い霜には耐える*1 とのことなので
ちゃんと水を切っておけば、耐寒性は0℃付近なんじゃないかなと予想します。
それなら、福岡なら冬も屋外管理で大丈夫そうな気もしますが
殺しちゃうと心が痛いので、念には念を入れ、最低気温2ケタをラインにしています。
いつか、冬の福岡で、屋外でも冬を越せるのか試してみたい気もする…。
さいごに
さいごまで記事を読んでいただき、ありがとうございました!
今回の記事では、我が家のイオナンタ・フエゴが開花したので
その様子を写真で紹介するとともに
基本的な情報や、詳しい育て方についても解説してみました。
こんなにも赤々としてかっこいい姿を見せつけられると、イオナンタ・フエゴだけじゃなく
他の品種もどんどんコレクションしたくなってしまいます…。
さて、この先我が家のエアプランツたちは、どんなラインナップになっていくのでしょうか?
イオナンタ・フエゴ以外にも、我が家には面白いエアプランツがまだ幾つもありますので
またいつか記事にしてみようと思います。
では、次回の記事で!