もくじ
はじめに
サイトを見に来てくれたみなさん、こんにちは!
MELIAMANNA(メリアマナ)代表の有吉です。
MELIAMANNAとは、大学院で植物学について学んだ代表が”衣食住”に植物を取り入れた暮らしを楽しみ、追求することをテーマとして活動しているサイトです。
今回の記事の主役は、チランジア・イオナンタ・アルビノ!!
今から約1年半前の2022年の7月頃、ダイソーのエアプランツコーナーでチランジア・イオナンタを購入してみました。買った当時、ラベルには ”イオナンタ” とのみ書いてあったので「イオナンタ持っとらんし、基本種やし、とりあえずひとつは持っとくか〜」ぐらいの軽いテンションで、これまでゆるっと育ててきました。
そんな特段可愛がってきたわけでもない普通のイオナンタが、2023年12月の下旬に差し掛かったタイミングで突然、葉がイエローに色づきはじめ、さらにその数日後には、純白の美しい花が開花したんです!!! 淑やかなイエローの葉に、真っっっ白な花。これは紛れもなく、チランジア・イオナンタ・アルビノの姿です。適当に選んだはずなのに後から箔がついたみたいで、めちゃくちゃラッキーな気分。
ということで今回は、今回我が家で初めて開花したイオナンタ・アルビノの写真に加えて、イオナンタ・アルビノにまつわる基本的な情報や、開花しちゃうほど元気に育てていくためのコツについて紹介してきますね。
イオナンタ・アルビノを手に入れた時のこと
先ほども書きましたが、僕がこのイオナンタ・アルビノを手に入れたのは、今から約1年半前の2022年の7月頃で、それはつまり、僕がまだ沖縄で大学生活を送っていた頃。
当時足繁く通っていた植物屋さんの店主に「ダイソー意外とエアプランツの種類揃ってるし安いからオススメだよ〜!」と教えてもらったのがきっかけ。確かそのお店でも、たまにエアプランツ取り扱っていたんだけどな〜。商売っ気が微塵も感じられませんww
何も考えていない僕もその言葉を真正面から受け取るもんだから「えー!!マジ!?すぐ行ってみるねー!!」とか言って、それから数日以内にダイソーのエアプランツコーナーに速攻で向かい、直感でビビッときた数種類のエアプランツをコレクションしてみたのでした。
この時にお迎えした数種類のエアプランツは、今でも元気にしていたり、はたまた夏の蒸し暑さに耐えられずダメになったりしてきたわけですが、今でも元気なラインナップの中に、今回の主役であるイオナンタ・アルビノがいます。
とは言っても、買った当時はラベルに “イオナンタ” としか書かれていなかったので、開花してイオナンタ・アルビノだと判明したのはつい最近のことなんですけどね。”棚から牡丹餅”という言葉をそのまま絵に描いたようなストーリー。なんだか嬉しい気分になったので、これからはもっと気にかけて観察してあげようと思います。
そして下に載せているのが、手に入れたばかりのイオナンタ・アルビノの写真。ダイソーで購入した時に撮っていたみたいで、奇跡的にスマホの中に残っていました。確かによーーーく見てみると、アルビノらしく、少し薄い色をしているような気もします。もちろん、また次に出会ったとしても、花を見ずに見分けられる自信は全くありません!
真冬にチランジア・アルビノの開花期が到来
このような経緯で手に入れてから今現在まで、約1年半育ててきたイオナンタ・アルビノ。沖縄での生活が終わり、地元の福岡に戻ってきてからも特に調子は崩さず、成長期には新芽をぐんぐんと伸ばしながらサイズアップしてきました。
そして気温がぐんと落ち、2023年も終わろうかという12月の末が到来した時期に、唐突に葉が淑やかなイエローに色づき始め、それから数日後には純白の美しい花が開花しました。まるで2023年を締めくくるファンファーレを鳴らすかのような開花のタイミング。
個人的には、エアプランツの開花時期は「冬→春」「秋→冬」ぐらいの季節が移り変わるタイミング、というイメージを持っていますが、ここまで気温が落ちた12月末に開花するのには、さすがにびっくり! 沖縄という南国で園芸を始めた僕は、福岡では12月にもなれば全ての植物の成長が止まると想像していましたが、そういうわけでもないんでしょうかね?
冬の時期の植物についてはまだまだ不思議に思うことがたくさんありますが、つい先日に投稿した記事では、イオナンタ・フエゴ開花の様子を紹介したように、12月の我が家のイオナンタたちはフエゴの赤とアルビノの黄で彩られていて、とっても視界の中が楽しげなシーズンです。
イオナンタ・アルビノについての紹介
葉が透き通ったようなイエローに色づき、純白の花が開花した様子を見ていただいたところで、お次はイオナンタ・アルビノの基本的な情報について紹介してみますね。
和名:チランジア・イオナンタ・アルビノ
学名:Tillandsia ionantha ‘Albino’
分類:パイナップル科 Bromeliaceae
原産:メキシコ〜中央アメリカ (原種のT. ionantha)
環境:樹木に着生する
補足:不定期??
◎名前について
エアプランツの最普及種と言っても過言ではないチランジア・イオナンタの園芸品種であり、Tillandsia ionantha ‘Albino’ という学名がつけられています。種小名である”ionantha”とはラテン語で「スミレ色の花」という意味で、原種のチランジア・イオナンタは鮮やかな紫色の花を咲かせますが、イオナンタ・アルビノは白花品種のため純白の花を咲かせます。また品種名である’Albino’とは、その名の通り色素が欠乏していることを表しており、赤色の色素を持っていません。
ちなみにチランジア・イオナンタの各品種をはじめとする、パイナップル科の植物の写真や情報については、こちらのサイト(WEBROMELIA NOTE)*1がとても詳しく、僕もよく参考にさせていただいています。気になる方は、ぜひご覧になってみてくださいね。
◎生育環境について
原種のチランジア・イオナンタは、メキシコ〜中央アメリカの国々に分布しており、標高が0m~1,800mの地域で、樹木に着生しながら生育しています*2。生育地は、低地・山地・マングローブ・渓谷・高速道路など、多岐にわたっているようです*2。
「高速道路???」と、とっても不思議に思いますが、チランジア・イオナンタの種子は風で散布されるみたいなので *2、たまたま強風に乗っかって飛ばされ、高速道路沿いの樹木の上なんかで発芽すれば ありえなくもないような感じがします。
というか、実際にありえる話だから書いてあるのかw
火のないところに煙は立たぬ、です。
◎開花期について
日本でのイオナンタ・アルビノの開花期なんですが……不定期としか言いようがないんですよね。これはイオナンタ・アルビノに限らず、イオナンタ全般においてです。もしかしたら、自生地の中央アメリカでは毎年決まった時期に開花するのかもしれませんが。
あえて開花時期を言うとすれば「冬→春」「秋→冬」ぐらいの、季節が移り変わるタイミングでしょうか。ただし今回のアルビノのように、12月末のかなり冷え込む時期に開花することもあるようです。
イオナンタ・アルビノを上手に育てるためのコツ
◎住と植物
MELIAMANNAでは、植物を”生活を共にするパートナー”と捉え、住まいを植物で彩るためのアイデアや、植物を上手に育て上げるための知恵を発信しています。今回は、イオナンタ・アルビノの栽培のコツについて書いてみようと思います。
まずMELIAMANNAでは、植物を上手に育てるコツを掴むためにはその植物が本来生きている環境を想像してみようということをお伝えしています。というのも、植物も生き物なので、環境の得意不得意があるからです。その植物が本来生きている環境、つまりは得意な環境を理解してあげて、それをイメージしながら水をあげたり、太陽に当てたりすることで、植物を元気に育て上げることができるのです。
イオナンタ・アルビノの生育環境
イオナンタ・アルビノについて紹介したところでも触れましたが、この植物は自然界では、樹上に着生しながら生き延びています。
つまりは、地面まで根を下ろして常に土から水分を吸収しているわけではなく、その代わりに樹上で降雨や霧を待ち、それらの水分を葉から吸収しながら成長しているということ。
しかし、いくら降水量の多い熱帯・亜熱帯の中央アメリカに分布していると言えども、そこでは降雨や霧が永遠に続いている、なんてことは当然あり得ず、雨や霧が止めば、樹上のエアプランツは風や太陽光に触れてすぐに乾燥してしまうわけです。
このような、イオナンタ・アルビノの生育環境を理解してあげた上で
お次は育て方のコツを掴んでいきましょう!
水やりと風について
今読んできたように、チランジア・イオナンタは、本来の生育環境では「降雨や霧で濡れる → 風に当たって乾燥する → 降雨や霧で濡れる → 風に当たって乾燥する…」のサイクルを永遠に繰り返しているわけですね。
これから分かることは、チランジア・イオナンタは湿乾のメリハリを好むということ。ずっと濡れている状態をとっっっっっっても嫌います。特に、葉の内側などに水が溜まって濡れた状態が続くと、腐ったように溶けてダメになってしまいます…。
つまり、チランジア・イオナンタを上手に育てていくためには「霧吹きでしっかり濡らす → 風に当ててしっかり乾かす → 霧吹きで……」のサイクルで湿乾のメリハリを意識しながら、水やりをして、風に当てることがとっても大切です。これさえ上手くやれば、元気に育ちますよ〜。
日当たりについて
これも今読んできたように、チランジア・イオナンタは樹上に着生しながら生きています。実際にエアプランツが着生しているのは、樹木の幹の部分なので、光の環境的には、頭上に広がる葉の間から光が差し込んでいるような環境です。
これからわかることは、チランジア・イオナンタは遮光された光を好むということ。直射日光の当たらない明るい日影で育てるか、直射日光の当たってしまう場所では、レースカーテンや寒冷紗で遮光しましょう。
春・秋の直射日光や、夏の午前の直射日光であれば、当てて大丈夫な場合もあるかと思いますが、葉焼け防止のため、できるだけ直射日光を当てずに、明るい日陰で育てるのがオススメです。
イオナンタ・アルビノの季節ごとの育て方まとめ
最後に、イオナンタ・アルビノの育て方を季節ごとに簡単にまとめてみますね。福岡県福岡市に住んでいる僕の環境での話ですので、参考までに!
季節 | 成長 | 開花 | 水やり | 管理場所 |
春 (4~6) | 成長 | ○ | 3日おき~毎日 | 北側の屋外。明るい日影。 |
夏 (7~9) | 成長 | ー | 毎日 | 北側の屋外。明るい日影。 |
秋 (10~12) | 成長 | ○ | 3日おき~毎日 | 北側の屋外。明るい日影。 |
冬 (1~3) | 休眠 | △ | 週1ほど | 南側の屋内。陽が差し込む所。 |
◎水やりについて補足
普通の園芸植物と同じですが、休眠が明ける4月頃は、これからの成長に向けて徐々に水やりの頻度を増やしていき、成長が止まる12月頃は、これからの休眠に向けて徐々に水やりの頻度を減らしていきます。
またどの時期においても、水やりの後は、風に当ててしっかりと乾かすことを意識します。
◎管理場所について補足
最低気温が安定して2ケタを超える / 2ケタを切るタイミングを目安に、屋外に出す / 室内に取り込むの切り替えを行なっています。
散発的な軽い霜には耐える*2 とのことなので、ちゃんと水を切っておけば、耐寒性は0℃付近なんじゃないかなと予想します。それなら、福岡なら冬も屋外管理で大丈夫そうな気もしますが、殺しちゃうと心が痛いので念には念を入れ、室内に取り込むのは最低気温2ケタをラインにしています。けどいつか、屋外でも福岡の冬を越せるのか試してみたい気もする…。
さいごに
さいごまで記事を読んでいただき、ありがとうございました!
今回は、数年前にダイソーで適当に買ってみたチランジア・イオナンタが、なんと白花品種のイオナンタ・アルビノであることが判明したのと、開花期の様相が美しすぎたので、写真と共に紹介してみました。ダイソーのエアプランツコーナー、こんな棚ぼたなことがあるなんて、全く捨てたもんじゃありませんね。
ではまた、次回の記事で!
参考にした情報
*1 WEBROMELIA NOTE / Tillandsia ionantha
http://ichiro-ueno123.sakura.ne.jp/t-ionantha.html
*2 LLIFLE / Tillandsia ionantha
https://www.llifle.com/Encyclopedia/BROMELIADS/Family/Bromeliaceae/29443/Tillandsia_ionantha