天下巡礼 2018年タイ編
サイトを見に来てくれたみなさま、こんにちは!
MELIAMANNA(メリアマナ)代表の有吉です。
MELIAMANNAとは、大学院で植物学について学んだ代表が、衣食住に植物を取り入れた暮らしを追求すことをテーマとして活動しているサイトです。
今回の記事は【天下巡礼 2018年タイ編 vol.2】。
この【天下巡礼】と題したシリーズは、MELIAMANNA(メリアマナ)の自己紹介という記事の続きとして、自分というものを大きく構成している旅の経験について大きく掘り下げてみる試みです。
前回の記事【天下巡礼 2018年タイ編 vol.1】出発前夜〜バンコクでは、19歳だった僕が初めての一人旅の舞台としてタイを選び、雑多なバンコクの街に降り立って探検した時の話を、パソコンの奥に眠っていた当時の旅行記を掘り起こしながら書いてみました。
そしてvol.2の今回は、バンコクから寝台列車に乗り込んでグンと北上し、タイの古都と呼ばれるチェンマイに行った時のお話です。
前回と同じく、分かりにくくて伝わりづらい箇所についてはカッコ書きで補足を加えておくことにしますね。
では【天下巡礼 2018年タイ編 vol.2】チェンマイ、スタートです!
寝台に乗り込み、古都チェンマイへ (2018/03/09 早朝)
昨日の夜にバンコクのファランポーン駅から寝台に乗り込んでからは、線路沿いに立ち並ぶ夜のスラム街をぼーっと眺めたりするなどしているといつの間にか眠ってしまっていて、今は朝6時、寝台のベッドで起床。
そういえば、電車内での朝の目覚めは初めての経験だ。車窓からふと外を眺めてみると、一面の畑、畑、畑。牛が草を食んでいる光景が目に飛び込んでくる。今現在どこらへんを走り抜けているのかは、全くもって分からない。窓を開け放って朝一番の深呼吸をすると、バンコクと比べて空気の澄み具合が半端なく違うことに気が付く。昨日は随分と歩き回って、都会のカオスの中で揉みくちゃにされたけど、都会で体に溜まりに溜まった疲れと排気ガスが蒸発していく感じがした。今回の旅では予定通り、綺麗な空気を吸いこみながら田舎でボケーっとしよう。
こうして人生で初めて寝台列車に乗っているわけだけど、なかなかいい。どうせタイの寝台列車だ、きったねーんだろ??って斜に構えていた自分がいたけど、車内・イス・シーツ・枕・ブランケットともに衛生状態はばっちりで、良い意味で予想が180度覆された。まあ、ゴキブリがうろちょろしていて、水道の水は濁り気味、おまけにトイレは垂れ流しだったんだけど…ww タイだから見逃そう…。やっぱり、予想が覆されたのは90度ぐらい???
チェンマイへの道のりの途中途中では片田舎の小さな駅に停車するんだけど、その時に売り子の女性が持ってくるお菓子やらチキンやらの香りで腹が減ってしょうがなかった。一瞬手が伸びかけたけれど、やめた。チェンマイでもっと美味いもんが食えそうな気がして。列車に乗っている間は、雨がザーッと降ったり止んだりを繰り返していたけど、チェンマイに到着する頃にはなんとか止んでくれて、湿度も昨日よりマシになった。幸先のいいスタートだ。
昨日の夜10時ぐらいにバンコクのファランポーン駅を出発し、チェンマイに着いたのはお昼の12時半。ほぼ予定通りの時間に到着して、アジア人は時間にユルいというウワサを真っ向から裏切ってきた。
チェンマイの好きなところと、そうじゃないところ (2018/03/09 お昼)
リュックとスーツケースをちゃんと持っていることを確認して、電車を降りる。プラットホームに着地した瞬間から、頼んでもいないのにどんどんふっかけてくるトゥクトゥクのおっちゃん達をシッシッと払いのけながらチェンマイ駅を抜け、旧市街に向かうソンテウ(タイの乗合バス)を拾うために、とりあえず大通りまで歩いてみる。
道を歩き出すとすぐに、とてつもない後悔に襲われた。予想の遥か遥か上を通り越してしまうほど、道がガタガタだった。歩道なんかさらにひどい状態で、「爆弾落ちた?」って思っちゃうぐらいのガタガタ具合。スーツケースなんか持ってこなければよかった〜〜。やっぱり、東南アジアの旅はバックパックスタイルが良いみたい。
駅前の大通りまで出てソンテウを探していると、遠くに見える赤信号の先に、赤色のソンテウが停車していた。信号の色が変わるとともに、車やバイクの波が真っ黒な排気ガスとともに押し寄せてきた。まったく、ここもバンコクとあんまり変わらんのかな、と思いながらドライバーに向かって手を挙げる。行き先を告げると、100THBだと。少し高い、次。2台目にやって来たソンテウのドライバーに声をかけると、80THBとのこと。少し下がったけど、もうちょい安いほうがいい。けれど、そのあと声をかけたドライバーはみんな揃って80THBと言う。ずっと探しても時間は過ぎていくし、まあしょうがないと妥協し、80THBで乗り込む。
そもそも、ソンテウみたいなローカルな乗り物の相場ってどうやって判断すればいいんやろ? 乗る前にスマホでささっと相場を調べてみたけど、ヒットしたサイトには「ここから目的地まで〜kmだから〜THBが相場かな」みたいに判断すると書いてあった。土地勘が全く無くて、右も左も分からない土地で、そんなことするなんて無理無理無理。やっぱり、声かけまくって、ちょいちょい値切ってみて判断するしかないのかな〜。
乗り込んだ赤ソンテウには先客はおらず、貸切状態でチェンマイの旧市街を突っ切り、予約しておいた宿の近くの、旧市街北側のチャーン・プワック門付近に向かう。ガッタンガッタンゆれるソンテウの細長い窓から顔を出して旧市街の風景を眺めてみるけど、やっぱり排気ガスで空気がとてつもなく汚れている。北方のバラなんて呼ばれることもあるチェンマイだけど、タイ第2の都市とだけあってこういう空気の汚染は避けられないのかな〜。チェンマイに何日か滞在してもいいと思っていたけど、旧市街の観光だけ済ませて明日すぐにパーイに出発しようと、この瞬間決心した。
ゲストハウスにチェックインしてからは、速攻シャワーを浴びて、ポケットにお札を突っ込み、早速チェンマイの旧市街の中に繰り出した。腹減ったーーー!! テキトーに雰囲気良さそうなレストランに入り、カオソーイという料理を頼んでみた。スープの上に揚げた麺が乗っている料理だったけど、んん〜ちょっと微妙、何かが物足りない。珍しく、店選びの直感が外れたかな? この時食べたカオソーイのイメージが頭にこびりついたのか、この旅の道中では、メニューで見たとしても、これ以降カオソーイを食べることは無かった…。
しかしなるほど、旧市街の奥へ奥へと進んでいくと静寂の空気がそこには充満していて、やっとのことで”北方のバラ”の所以を見つけることができたような気がした。夕日を受けて黄金色に輝く寺院には平和な空気が流れ、その横の小さなスペースではナイトマーケットが開かれていて、アジアンテイストの衣類や雑貨が敷き詰められていた。こんな静かな天国で、こんな発展の大波が到達していない場所で暮らすことができたら、どんなに幸せだろう。ほんとうに、人がまばらな裏通りは落ち着くなあ。
一通り旧市街を歩き回って足に疲れが溜まってきたところで、次第に陽が落ちてきたから、たまたま見つけた賑わっているレストランに入ってみる。「異国の地では地元民で賑わう飯屋に入れ」とよく言うのは本当のことで、ここのエビが入ったチャーハンの旨いこと旨いこと。よし、今度は店選びの直感大当たり。ここを出たあとにも、既に暑さが迫ってきている春の夜に屋台でガイヤーン(タイバージョンの焼き鳥)にかじりついた瞬間なんか、天国など優に通り越した気分だった。旅先にタイを選んでよかった、ここは今までに味わったことが無いような天国だ。
こんな風に、排気ガスの地獄と食いもんの天国、というチェンマイの両極面を見せつけられつつ、タイ2日目は終了した。ここチェンマイではちょっとした天国に出会えたけれど、明日パーイに向かう予定はもう動かない! チェンマイ以上の天国を目指して、峠を越えてみよう。
ゲストハウスで一緒の部屋になった人たちと少し話したあと、眠りにつく。明日は7時起き。
しっっっっっっかしこのゲストハウス、蚊が多すぎるなあ!!!!
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次回の記事は【天下巡礼 2018年タイ編 vol.3】パーイです。
チェンマイからパーイに向かうための過酷なバス移動の話や、都会の喧騒からはかけ離れたパーイの町に降り立った時のお話です。