【天下巡礼 2018年タイ編 vol.1】出発前夜〜バンコク

2023/05/28 2024/11/02 タイ

天下巡礼 2018年タイ編

サイトを見に来てくれたみなさん、こんにちは!
MELIAMANNA(メリアマナ)代表の有吉です。

MELIAMANNAとは、大学院で植物学について学んだ代表が、衣食住に植物を取り入れた暮らしを追求すことをテーマとして活動しているサイトです。


今回の記事は、【天下巡礼 2018年タイ編 vol.1】

以前、MELIAMANNA(メリアマナ)の自己紹介という記事で、これまでの人生の歩みや、MELIAMANNAでの今後の活動内容について紹介しました。その記事の中には、沖縄での大学時代に経験したあれこれに関する場面があり、そこでは「ひとりで海外に行く!」という高校生からの夢を叶えるべく、大学1年生が終わった春休みにタイへ向かって飛び出した経験や、その後も一人旅の魅力に取り憑かれ、主に東南アジアの国々を放浪した経験について軽く触れてみました。

ただしそこでは訪れた国々を羅列するだけで終わってしまっていたので、今回からの記事では自己紹介の続きとして、自分というものを大きく構成している旅の経験について大きく掘り下げてみようと思います。

ということで【天下巡礼】と題したシリーズでは、これまでに訪れてきた国ごとに記憶や写真を引っ張り出しながら、琴線に触れた出来事などについてのんびりと書いていこうと思います。


そんな【天下巡礼】シリーズの第一弾は、タイ編!

大学1年生が終わった春休み、つまりは2018年の3月にバンコク → チェンマイ → パーイ → またバンコクと旅した思い出を、数回に分けながらつらつらと書いてみようと思います。

それで、タイを旅したのは2023年の今からもう5年も前なのか〜と思い、ちょっとした記録とか残ってないかなーとパソコンの中を探してみると、タイに飛び立つ前と、帰ってきた後に書き残した旅行記が残っていた…!

ということでタイ編については、19歳だった少年の俺が書き残した旅行記を根こそぎ引っ張り出しつつ、かなり恥ずいので人様に見せられない部分は24歳になった俺がこっそり修正しつつ、といった感じで旅した記録を紹介したいと思いますww

それと、分かりにくくて伝わりづらい箇所についてはカッコ書きで補足を加えておくことにしますね。

とてもボリューミーな旅行記がパソコンの奥の方から出てきたのでちょいと長い記事になっていますが、気分が乗ったときにでも読んでくださーい。

ということで【天下巡礼 2018年タイ編】スタートです!

出発前夜、パーイ目指して (2018/03/06)

2017年の年末頃にどこか海外に行こうと思い立ち、なんとなくバンコク行の飛行機を取った。LCCはほんとうに最高で、沖縄からバンコクのスワンナプーム国際空港まで受託手荷物代をプラスしても往復3万弱で収まった! しかも、乗り継ぎなんて要らずに直通ときている。それに調べていると、スワンナプームからカンボジアやラオスに飛ぶLCCも目ん玉飛び出るぐらいのロープライス。新幹線よりも軽いノリで飛行機に乗れるようになりつつあるみたい。

ただバンコクに着地したとて、そこからどこに行こうかと悩みつつあまりパッとした答えが得られないまま時間が経っていたけど、出発直前になってようやく目星がついた。

行き先はここだと目星がつく前までは、バンコクに留まってみようか、それかチェンマイまで行ってのんびりしようか、それともバンコクからカンボジアに飛ぼうかなんて考えに考えまくっていたけど、最終的には、バンコクとチェンマイを経由しつつタイ北部のパーイという場所を目指すことにした。


(ここからは、旅の予定)

まず、バンコク。

この都市がどのくらい発展していて、新しいテクノロジーやサービスがどのような感じで入り組んでいて、ここの人がどんな表情していて…などなど、バンコクにはずっと興味があって一度見てみたかった。そうそう、東南アジアのハブ空港になってるスワンナプーム国際空港もぜひぜひ探検してみたかったんだった。それにアユタヤをはじめとするたくさんの遺跡にもずっと行ってみたかったし、何日間かはバンコクに居てもいいかなと思っていたけど、今回の旅では1日だけの滞在に留めることにした。なんてったって人が多そう。いや、確実に多い。むさ苦しそうだ。

そんな理由で、今回は人の少なそうな場所でゆっくりしていたい。あんなに発展が目覚ましい都市だと、時間の流れが速すぎて息するだけで疲れそう。たまには時間に追われず、考えることをやめて急ぎすぎな時間軸を元に戻さないと。それが旅の一番の醍醐味なんだから。

ただ、そんなバンコクでもめちゃくちゃ楽しみにしてることがあって、それは「Uberを使ってみたい!」とういうこと。アプリを入れておいて、絶対に1回はどこかのタイミングで使ってみよう。日本では規制がなんだとか言っていてまだまだ使えないから、相当楽しみ。
(これはUber Taxiのこと。2018年の当時、このような配車サービスは日本では白タク扱いになり規制されていた。もちろん、Uber Eatsなんてまだ存在しない。)


次に、チェンマイ。

初めの予定ではほとんどの時間をチェンマイで過ごそうと思っていたけど、なぜか直前になってその気持ちが薄れてしまった。ずいぶん北上した場所、とは言ってもタイではバンコクに次ぐ観光地だから、たぶんもっと人が少なそうな場所を求めたんだと思う。もっともっと、人が少なく、おあつらえ向きでない場所に行ってみたい。知る人ぞ知る場所や経験を求めて、奥地へ、奥地へ。そんな気持ちが沸々と心の中で湧き上がってきていた。

けど実際チェンマイに行ってみて、もしもそこで過ごす価値があると思ったら滞在の時間を延ばすかもしれない。何でも、状況が目の前に訪れるまでは、行く末がどうなるかなんて思いもよらない。しょぼいまとめサイトを見て気を紛らわせたって何にも分かりはしないんだから。実際にその場に足を踏み入れてみないとね。もしかしたらこんな予定シカトして、バンコクにずっと居るってこともあるかも??w そうなったらめちゃくちゃ面白いなあ。


最後に、パーイ。

ま、実際どんなルートを辿って旅をするのかはタイの地に降り立ってみてから決めることになるだろうけど、今回はとりあえずタイ北部のパーイという場所を目指してみることにした。先ほども書いたけど、最初はチェンマイにずっと留まる予定で、もし暇になった時用に、チェンマイから日帰りぐらいでどこかに行けないかと色々探していたところ、このパーイという地名に偶然出くわしたというわけで。

日本語でパーイを紹介している数少ないWEBサイトによると、そこはバックパッカーがかなり多く集まるとこらしい。写真を見ると、確かに雰囲気がとても良さそうだし、都会の喧騒から身を孤立させるためにはもってこいの場所だ。つまり、奥地を求める今回の旅の気分にちょうどいいってわけ。かなり楽しみになってきたぞーーー!!

離陸直前、そして良い前兆 (2018/03/07)

やっと、やっと、出発の時が来た。待ち焦がれていた。高校のときからずっと行きたかったんだ、タイランド!

画面を通してしか見たことのなかったあの無秩序な空間や自由さなんかを、ずっとこの身体で体験してみたかった。実際に行ってみないと満足できないんだな〜、もしその結果が楽しくても、死ぬほどつまんなくっても。

そして今日初めて、protexってブランドのスーツケーツを初使用。シンプルに見た目が超渋くて、即決で買ってしまったやつ。見るからに強そうなルックスで、これなら海外の空港のおっちゃんにぶっ飛ばされても余裕顔だ。ただ、旅のためにスーツケースを手に入れたものの、ひとつ心配なのが道路だな〜。タイの道路ってどんぐらい荒いんだろ? バンコクは比較的整備されているだろうからまだしも、今回行く北部は? どこまで探検しようが嫌になるほど道路が綺麗に整備されている日本に育った俺には、そんなことさえも想像がつかない。ま、パッキングは終わってしまったし、今さら考えても仕方ないか。

そうこうしているうちに、あっという間に家を出発する時間が来てしまった。今回の飛行機は21時発の深夜便だから、潤沢な時間を使って準備した。忘れ物は…ぜったいに無いはずだ…。ぜったいに…。

3月の沖縄というのはもう既に夏の姿がちらついていて、高速バスに乗って空港に向かうべく、暑さの残る夜をバス停に向かってガラガラと歩いていると、Tシャツの上からデニムシャツというラフな格好だったはずが、軽く汗をかいてきた。そんな汗に不快感を覚えつつ、まだまだ遠いバス停に向かっていると、ちょっとしたトラブルが発生。ふとした拍子に振り返った瞬間、イヤホンのイヤーピースが片方どっかに飛んでいってしまった。すぐに足元を探してみるも、既に辺りは真っ暗闇。黒のイヤーピースなんか見つかるはずもない。さっきまで出発の嬉しさで有頂点だったけど、今度はかなり落ち込んでとぼとぼ夜道をバス停に向かう。すごいちっちゃいことなんだけどね…。

初めて訪れるタイの地。いろんな音をちゃんと隈なく吸収しろってことなのかな〜なんて無理やりこじつけたら、また気分が上がってきた。

こんな風に、ちょっとした道中にも色々ありながら、やっと空港到着。せめて家から空港に行く時ぐらい、事がスムーズに運ばれてほしいよなあ。

空港に着いたは良いものの、まだ離陸まで3時間ぐらいあった。国際線だからって張り切って早く到着しすぎた感が否めない。そういえば国際線って結局、何分前までにチェックインしなくちゃいけないんだっけ??

しょうがなく椅子に座ってぼけーとしていると、同じバイト先でめちゃくちゃ良くしてもらってる先輩に偶然遭遇!!! 先輩は友達と一緒に来ていて、しかもどうやら俺と同じ便でタイに行くらしい。そういえばその先輩も、3月タイに行くんだって前から話してたもんな〜。それにしても、同じ便ってやばすぎる。ちなみに先輩は、空港で友達と一緒にショットかまして離陸前から出来上がっていて、そんなどうしようもない姿が俺はとても羨ましかったりしたw 「どこいくの〜?」とか「何泊〜?」とか「虫食って見たいよね〜!w」とか話しているうちにあっという間に離陸時間。またお互い沖縄に帰ってきたら旅の話をする約束をして、先輩とはここでお別れ。

LCCのちっこい座席に窮屈そうに座るU.S. Armyのごっついアメリカ人に挟まれながら、深夜のバンコクへ降り立ったのだった。

バンコク着、全てがごちゃ混ぜの世界 (2018/03/08)

ただでさえ窮屈な座席のピーチで、しかも両隣からごっついアメリカ人に挟まれながらやっとの思いでスワンナプームに着陸。深夜便だったから、日付が変わってからまだ30分しか経ってない。不便極まりないけど、LCCだからしょうがないか。飛行機の中で少し仮眠しようかとも思ったけど、ムキムキアメリカ人に挟まれるとなんだかソワソワしちゃって全然眠れなかった。それに加えて、東南アジアという初めての環境。いつも以上に目がパッチリで、まぶたが落ちてくる気配すらない。寝れなかったのはきっと座席のせいじゃなくて、これから踏み入れるタイの地に興奮していたせいかもしれない。

しかし初めてのスワンナプーム空港はもう圧倒されまくりで。とにかく綺麗でとにかくでかい。福岡空港を使い慣れた身からしてみると、高校の卒業旅行で友達と行った仁川空港もその規模のデカさや綺麗さに衝撃を受けたけど、スワンナプームはその比じゃなかった。とりあえず規模デカくしとけ!!みたいな考え俺は好きだぞ!!

朝が来てMRT(バンコクの鉄道網)が動き始めるまでは空港で過ごすつもりでいたから、夜中にも関わらず空港の中を隈なく歩き回っていると、「デカい!」「めっちゃ綺麗!」という感想以外にも
・深夜も人がいっぱいやなー
・デザインが超イケとるなー
・到着口からイミグレまで結構歩かされてダルいなー
・空港職員セグウェイ乗っとるなー
・なんかエスカレーターのスピード速いなー
・タイの女性は化粧バッチリやなー
みたいな感想が次々と頭の中に浮かび上がってくる。

どうでもいいこともいっぱいw

けど、職員がセグウェイ乗ってたのは羨ましかったなあ。ま、あんだけだだっ広いと、勤務日数重ねるごとに歩く気力がすり減っていきそうだもんな。これからは、旅行者に貸し出しとかしてくれたら面白そうなのにな、とか思った。あとでセグウェイに乗ってた職員のお姉さんがバランス崩して軽く転けてたのを見て、ちょっと可愛いい!!!って思ったのは内緒でw

そして職員と違ってセグウェイに乗れない俺は、歩いて歩いてやっとイミグレまでたどり着く。よし、やっと入国だ。

入国カードに記入を済ませてイミグレの列に並んでいると、ここでもやっぱり中国からの大集団が。そこに居た彼らは面白いことに、みんな揃ってオレンジのジャンパーを羽織っていて、旅行でこんなことするのって彼らだけだよなーと思いながら、その光景を眺めていた。

福岡や広島の人にしか通じないかもしれないけど、これだけのジャンパー集団に囲まれると
「俺って牡蠣小屋にでもいるんだっけ?」
という気分になってくるw

そんなこんなでイミグレの長い列もやっと終わり、遂に俺の順番が来て、入国審査のおっちゃんの前まで進む。このとき、なぜか心拍数が少し速くなるのは万人一緒だよね? 問題なく通過できたら良いなーと思いながら、おっちゃんにパスポートと入国カードを見せると、入国カードに宿泊先を書いていないのを指摘されてしまった。というのも、初日は深夜着だから空港に泊まる予定で、次の日も夕方には寝台に乗ってチェンマイへ発つ予定だったから、宿泊先なんてものは決める必要がなかった。

後から調べてみると、宿泊先が決まってない場合は大きなホテルの名前をテキトーに書いておけばいいんだと。不法入国対策やら何やらで、空欄で出すのはよろしくないらしい。ウソ書く方がいかがなもんかと思うけど、、ウソの方が便利な時ってたくさんあるんだよな。

入国にまだまだ不慣れな俺はそんなことなどつゆ知らず、イミグレのおっちゃんとこんな問答を繰り返す。

お「宿泊先を書きなさい」
俺「まだ決まってないんだ」
お「だから、宿泊先を書きなさい」
俺「だから、まだ決まってないんだよ」
お「とりあえず、宿泊先を書きなさい」
俺「だから、決まってないから書きようがないんだよ!!!」

こんなやりとりをあと数回繰り返した後、もうしょうがないから、チェンマイでここに泊まろうかなーと考えていた宿の名前をテキトーに書いて、やっと入国。一手間くらってしまった。

今思えば、おっちゃんも余計な仕事を増やしたくないから、俺に適当に宿泊先の欄を埋めて欲しかったんだろうな。「決まってないならテキトーに書け!」なんて、そんな直接的なことは言えないから、「とりあえず、宿泊先を書きなさい」ってずっと言ってきたのかなーとか。こういう時用の、大切な嘘のつき方を学校でも教えてほしいよね!

こうして、無事に?入国した俺は、晴れて究極の自由を手に入れることができた。「これから出国まで、どこに行って何をするのも自由だ!」って。確定していない未来を前に、最高にゾクゾクしている。

しかしいざ入国できたとなると、疲れと眠気が一気に湧き上がってきた。そのままベンチで寝ようかとも思ったけど、その前にsimカードの購入をしなくちゃいけない。simカードだけど、今回は適当に”true”というブランドのsimカードを購入してみた。確か、15日分で1500円ぐらいだったはず。これで、現代の旅の命綱とも言える google map が使い放題。最高。その場で動かしてみたけど、全く解読不能なタイ語のSMSが届く以外は、いたって普通。google検索なんかもばりサクサクだ。simフリー関連は、タイの方が日本よりよっぽど先を走っていて、最高に過ごしやすい。がんばれニッポン、キャリア縛りが解放されるまで、あと何年かかるんだろう??

移動と入国の疲れからか、さっきからずっと眠気が肩に手をかけてきていて、早くベンチに座らせようとしてきている。もうちょっと空港を探検したい気持ちもあったけど、しょうがなく寝る場所を探して右へ左へ、慣れない空港内を歩いてみる。歩き回った挙句、目の前に現れた空きベンチに何となく腰を下ろす。明るくて、人通りがあったから座るのを少し躊躇したけど、眠気の重みに耐えきれない。よし、人生初の空港泊だ。しかしここはいくら国際空港とは言っても異国の地。しかも東南アジア。パクられないようにリュックとスーツケースをしっかり繋ぎ、リュックを抱えて横になるとあっという間に眠り込んでいた。


翌朝、6時ぐらいに目が覚めた。快眠。何だ、空港のベンチって居心地かなりいいじゃん! 荷物もパクられていない。最高の朝だ。

昨日の夜に両替所をいくつか回ってみたけど、深夜でレートの良い所が閉まっていて、バーツを全く持っていないかったから、朝一で両替所に向かう。スワンナプームでは、到着口付近よりもMRTの乗り場付近の両替所の方がレートが良いという情報は事前に仕入れていた。円安の影響で渡された額面に少しがっかりしつつも、実際に初めてタイバーツを見てみてびっくり! お札には、全種類おんなじ人物の顔写真が印刷されていた。顔でお札を区別する日本とは違って、タイでは色で区別するんだね。

こうして順調にタイバーツを手に入れた俺は、お腹に何か入れるべく空港内をうろついてみる。スワンナプームで個人的に最も良かったのは、食事面が充実していたこと。空港の飯は高いし、クオリティ低いしで食ってもあまり気持ちは上がらないのが普通だけど、スワンナプームは全く違った。もちろん、普通の空港にあるようなフードコートが多いのは確かなんだけど、マジでびっくりしたのが、空港の隅っこの方に庶民価格といえる値段で、しかもかなり美味いタイ料理を食べられるフードコートがあったこと。メニューのレパートリーは、カオマンガイやヌードルみたいな王道から、更にはフルーツシェイクまであるというかなりの充実具合。もうバンコクの街中を食べ歩いとるのと変わらんやん、と。スワンナプームで腹が減ったら、必ず行った方が良い!

(今調べてみると、そのフードコートの名前はAirport Street Food by Magic food point (Google Map)と言うみたい。イミグレーションを通過してから、空港1階の隅っこを探したらあります。受付でチケットを買ってから料理を注文するので、タイバーツが必要。24時間営業なので、深夜着でもだいじょーぶ!)

この時はカオマンガイを頼んだけど、ソースが本場で辛いこと辛いこと。本場のタイ料理の辛さに一発食らわされた口をいたわりながら、今宵チェンマイ行きの夜行列車が出発するファランポーン駅に向かうべく、早朝のMRTに乗り込んだ。

朝の7時台にも関わらず、スーツケースにリュックを背負っているのが申し訳なくなるぐらいに、大量の人が乗り込んできた。どこの国でも都会人が多忙なのは共通しているのかなー。電車内はすぐさまたくさんの人で埋め尽くされ、スーツケースをできるだけ自分の方へ手繰り寄せようと四苦八苦しているうちに、あっという間に目的の駅にたどり着き、それから電車を乗り継いでファランポーン駅に到着。

まだまだ朝。夜にチェンマイ行きの電車に乗り込むまではかなり時間があったから、その時間まで町歩きをするためにスーツケースを駅に預け、いざ散策スタート。昨日の夜、検索して目星をつけていたファランポーン駅近くのチャイナタウンを目指してみる。

いざ駅の外に繰り出してみると、どこかで経験したことのある匂いに鼻を刺激された。なんだこれ?と少し考えて思い出した! 中洲だ! 川沿いに屋台が立ち並ぶ、福岡の夜の匂い。まあ要するに、良い匂いはしてないってことなんだけどw しかも驚くことに、中洲の2倍は臭いがきつい。更に、気温は30℃越え。湿度えげつない。川も死んでいる。自動車やバイクが吐き出す黒煙に煽られる。

俺のこの身体はやっぱり、バンコク向きじゃないみたいだ! 早く北の旧市街に行きたい!という思いがどうしようもなく込み上げてくる。

けど、その代わりっと言てはなんだけど、こんなに汚いバンコクにも面白いことはそこら中に転がっていた。例えば東南アジアのイメージ通り、ノーヘルでバイクかっ飛ばしていたり、そのバイクに4人乗りしていたり、信号なんかあってないようなもんで。更には、一本通りを入れば死ぬほど雰囲気がいい裏路地やマーケットがあり、そこでは生の魚や肉にハエがたかっていたり。最高に面白い! これこそが、ずっと五感を通して脳みそにぶち込んでみたかった東南アジアらしさだ。なんだか上手い言葉が見つからないけれど、とにかくこの感覚を求めていた。やっぱり、バンコクも大好きかもしれない。このまま発展しても小綺麗路線に走らず、小汚いままでいてくれ…。

そんな、全てがごちゃまぜなバンコクの街や人に埋もれつつ、目的だったチャイナタウンに到着したものの、そこでは特に目ぼしいものは発見出来ず仕舞いだった。それでも、テキトーにお寺に入ってみたり、屋台を冷やかしてみたり、わけのわからんヌードルを食ってみたりしていたら、あっという間に仕事から帰宅しているであろう人たちの車で道路が埋め尽くされていた。チェンマイ行きの寝台に乗らなきゃと、車道に溢れかえった車をかき分けながら、やっとの思いでファランポーン駅まで帰り着く。

タイ1日目の感想は、お寺が綺麗だったことと、屋台で飲んだサトウキビのジュースがマズかったこと。そんな良いも悪いも含めて、この汚い街中に漂う自由とカオスの雰囲気が大好きになった。空気が汚いところは大っっ嫌いだけど、また最終日にも来てみようと心に誓った。

陽が落ちる。
寝台に乗りこみ、チェンマイに向かう。

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次回の記事は【天下巡礼 2018年タイ編 vol.2】チェンマイです。

バンコクから寝台列車に乗り込んでグンと北上し、タイの古都と呼ばれるチェンマイに行った時のお話です。

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