はじめに
サイトを見に来てくれたみなさま、こんにちは!
MELIAMANNA(メリアマナ)代表の有吉です。
MELIAMANNAとは、大学院で植物学について学んだ代表が”衣食住”に植物を取り入れた暮らしを楽しみ、探求することをテーマとして活動しているサイトです。
今回の記事のテーマは、エッセンシャルオイルをブレンドして香水を作ること。
シダーウッド・オレンジ・イランイランの3種類をブレンドして、自家製の香水を作ります。
というのも、実は僕はかなーーーり気合の入った匂いフェチなわけでして、クチナシ・ジンチョウゲ・キンモクセイ・ヒイラギ・ゲッキツ・カトレヤなどなど、道を散歩していてうっとりとしてしまうような花の香りを鼻が捉えた瞬間、その香りを辿っていって花の中に顔を突っ込むなどしていますww
自分でも「ああ〜浮いてんな〜これは」という自覚はちゃんとあるんですがw、その反面、他人よりも鼻が効くという事実があるのも確か。そのせいか、最近はエッセンシャルオイルをコレクションするのにハマっています。
初めのほうは数種類のエッセンシャルオイルしか揃っていなかったので、アロマポットに1種類のオイルを垂らして香りを楽しむだけでしたが、最近になってエッセンシャルオイルの種類が充実してきたので、そのうち数種類をブレンドして自家製の香水を作るようになりました。
とは言え、まだまだ自分独自の調香ができるわけではないのでネットで拾ったオイルのブレンドレシピを参考にしながらですけどね!
そこで今回の記事では、オイルのブレンドレシピを参考にしながら、シダーウッド・オレンジ・イランイランの3種類をブレンドして自家製の香水 (賦香率が約15%のオードパルファム) を作る様子を紹介していますので、ぜひ読んでみてくださいね!
香水を身に纏うということ
◎衣と植物
古代中国では『飲食衣服、これ大薬』という言い伝えがあるように、衣服を身に纏う行為は本来、繊維や染め剤となる植物から薬効を得ることで心身を清く保つためものであると伺い知れます。MELIAMANNAでは、そんな視点が忘れ去られてしまった現代の世界で改めて”衣”と植物の繋がりを深く探求し、発信しています。
……….というテーマで掘り下げて、これから衣類と植物との繋がりについても探求していこうと思っていたんですが、エッセンシャルオイルのコレクションが捗ってきたある時、ふと思ったのです。「これって衣服だけじゃなくて、香水にも言えることじゃない?」と。
衣服を身に纏うことで繊維や染め剤となっている植物の成分が肌から吸収され、そのことが何らかの症状の治癒や、普段の健康増進に繋がるのではないか? というのが僕が今考えていることなんですが、植物から抽出した成分が肌に触れるというのは香水を身に纏う時でも同じこと。
また香水では、肌に付着した植物の成分が(つまりはエッセンシャルオイルが)体温によってどんどん揮発していき、ヒトはそれを香りとして鼻から吸引することになるので、鼻腔や肺からも植物の成分が体内に吸収されると考えられます。
つまり香水を身に纏うということには、大好きな香りから精神的な効果を得ようという使い方もあるんだけど、香水に含まれる植物の成分から身体的な効果を得ようという使い方でもいいんじゃない? というのが、最近僕が行き着いた考えです。
こんなことを考えながらふと部屋の本棚を眺めてみると、『エッセンシャル オイルブック』という本が目に入ってきたので、改めて読み返してみると、この本にはこんなことが書かれていました。
体への吸収
*1
オイルの分子はきわめて微細であるため、毛包や汗腺を通って肌に吸収されます。また、皮膚の脂質と結合して細胞間に浸透し、そこから真皮(表皮下の皮膚の層)に達するわけです。真皮に達したオイルは毛細血管とリンパ管に入り、循環器系によって体全体に運ばれます。
ーーーーー
吸入された芳香性物質は、鼻腔中の粘膜から分泌される粘液が気化されたものと混じって温められ、その分子は鼻の奥にある嗅覚器官の中の、線毛と呼ばれる多数の毛様繊維の周りに拡散します。(途中略) また、吸入されたエッセンシャルオイルは気管と気管支を通って肺にも入り、そこから細気管支を通って肺胞に達します。肺胞は、血液中の酸素と二酸化炭素の交換が行われる場であり、吸入されたオイルは循環器系によって体全体に運ばれます。
このようにエッセンシャルオイルは、様々な経路で体内に吸収されていることが分かりますね。
他のセクションでは、吸収経路やオイルの温度、希釈するキャリアの種類などによって吸収されるオイルの量や成分が変わることは指摘されていますが *1 、香水を身に纏うことは植物を身に纏ってその成分を吸収すること、というのは紛れもない事実であるように思います。
また『香水 (Wikipedia)』を覗いてみると、このようなことが書いてあります。
もともと宗教的な用途や薬用として使われていたが、近代以降、楽しみやたしなみとしての香水が生まれた。
*2
ーーーーー
これら(ラベンダーやローズマリーの薬用酒)がアルコールベースの香水の最初であるといわれ、最初は薬として、のちに香水として使われた。
現代では専らたしなみとして用いられている香水ですが、やはりその起源は薬用であることがうかがい知れます。
これから自分で香水を作っていく際にも、オイルに関する確かな知識を得ながら、そして用いる材料を厳選しながら、薬用としての香水という利用方法について追求していけないかな〜と考えたりもしています。
香水の材料とブレンドのレシピ
香水の核心的な部分に迫るのはこのくらいにしておいて、ここからはこの記事の本題である、エッセンシャルオイルを用いた香水の作り方について紹介していきます!
ちょっと詳しく書いてみますと、シダーウッド・オレンジ・イランイランのエッセンシャルオイルを使い、賦香率(香料の割合)が約15%のオードパルファムを作っていきます。
今は自分だけで楽しんでいるものなので方法はテキトーーーなのですが、数種類の道具さえ集めてしまえば誰しも簡単にできてしまいますので、興味のある方はぜひ実践してみてくださいね!
材料
まずはじめに、材料について。
今回香水を作るにあたって、準備するものはたったの4種類だけ。
①エッセンシャルオイル
・今回のブレンドでは、シダーウッド・オレンジ・イランイランの3つを使います。
・種類が揃うと今後ブレンドの幅が広がるので、最初は数種類をセットで購入するといいです。
・オイルは体内に吸収されるので、僕はできるだけオーガニックのものを使っています。
②無水エタノール
・エッセンシャルオイルを希釈するために使います。また香水を肌に振った際、アルコールが蒸発することで香りの成分が拡散しやすくなるという効果もあります。
・エタノールの純度が高い無水エタノールの使用をオススメします。
③ピペット
・エタノールを計り取るために使います。
・今回はセリアで購入したプラスチック製のものを使っていますが、エタノールに触れるため本来はガラス製のものを使う方がいいと思います。
④アトマイザー
・無印良品のアトマイザーを使っています。容量は4.8㎖。
・ガラス製で遮光できるものであれば何でもいいと思いますが、すぐに使い切って色々なブレンドを経験していくために、少ない容量のものを使っています。
ね? 思い立ったら、すぐにでも揃えられそうですよね?
エッセンシャルオイルが簡単に手に入る現代において、香水を自作することはとってもカンタンなんですよ〜!
ブレンドレシピ
お次に、香水のレシピについて。
用いるエッセンシャルオイルは、シダーウッド・オレンジ・イランイランの3種類。これらを同じ容量ずつブレンドさせたオイルにはWinter Blues(ウィンター・ブルース)という名が付けられているみたいで、今回はこのブレンドをもとにして香水を作っていきます。
また今回は、容量4.8㎖のガラス容器に、賦香率が約15%のオードパルファムを作りたいので
・香水の全体量を4.8㎖以内に収めること
・出来上がる香水の全体量に対して、エッセンシャルオイルが約15%含まれるようにすること
の2点を意識します。ここらへんの調整と計算は、各々の環境に合わせて頑張りましょう!
ということで、今回出来上がったレシピはこちら!!
【シダーウッド・オレンジ・イランイランのオードパルファム】
材料 | 容量 |
シダーウッド オイル | 0.3㎖(6滴) |
オレンジ オイル | 0.2㎖(4滴) |
イランイラン オイル | 0.2㎖(4滴) |
無水エタノール | 4㎖(ピペット8吸い) |
計 | 4.7㎖ |
Winter Blues(ウィンター・ブルース)は、シダーウッド・オレンジ・イランイランを同じ容量ずつブレンドさせたものらしいですが、今回は賦香率を調整するためにシダーウッドの割合を少し多めにしました。感覚なのでテキトーです。
あと一応、このレシピの賦香率を計算してみますね。
香料(オイル)の合計量である0.7㎖と、香水の全体量である4.7㎖を使って
(0.7㎖ ÷ 4.7㎖) × 100% = 14.89% ≒ 15%
イイカンジです!!
香水作りの工程
では最後に、レシピ通りに材料をブレンドしていきます。
実際の工程は、このような感じ。
1. アトマイザーに無水エタノールを加える
2. それにエッセンシャルオイルを加える
3. 混ぜ合わせる
レシピさえ完成させてしまえば、超カンタンです!
実際に実践!
注意すること(光感作性について)
エッセンシャルオイルをブレンドして自家製の香水を作るにあたって注意すべき点があるとしたら、それは光感作性でしょうか。
光感作性とは、何もつけないときに比べてより早く日焼けする作用があるということで*1 、オイルの種類にもよりますが、このような作用を持っているものもあります。(例えば、ベルガモット・レモン・グレープフルーツなどの柑橘系)
今回使用したシダーウッド・オレンジ・イランイランには光感作性はありませんが、他の種類のオイルを使ってブレンドをする際は、光感作性の有無や希釈倍率についてよく確かめた上で、使用してみてくださいね。
さいごに
最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました!
今回は、3種類のエッセンシャルオイルをブレンドして自家製の香水を作っていく様子を紹介しました。材料を揃え、賦香率の計算をしてレシピを作りさえすればどんどん実践できるので、皆さんもぜひ試してみてくださいね!
僕個人的には、これから様々なブレンドを経験しながら鼻を鍛えていって、いずれはもっと複雑な香りを自在に生み出せるようになれたらな〜と妄想しています。
また、香水を身に纏うことは、植物を身に纏ってその成分を吸収することじゃないか? という僕が最近辿り着いた考えについても紹介しましたが、これについても、香水の歴史や用途についてぐんと深く掘り下げつつ、近々ちゃんと記事にまとめてみようかなと思っています。
また、エッセンシャルオイルは体内に吸収されるものなので、それぞれのオイルには身体的にどのような作用があるのか? という観点からもいつか記事を書いてみようかなと思っています。奥が深〜い世界であるとともに、とても興味深〜い世界だなと感じますね。
では、次の記事で!
参考にした情報
*1 スーザン・カーティス, 1998. エッセンシャル オイルブック. 双葉社, 東京, 158pp
*2 https://ja.wikipedia.org/wiki/香水 (2023/12/1)