共鳴(2025年6月の日記)

2025/06/05 日記

この記事を書いた人

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有吉 諒真(ありよし りょうま)

福岡生まれ福岡在住。大学時代を過ごした沖縄にて植物の世界に魅了され、植物学で修士号を取得。現在は"衣食住"に植物を取り入れた暮らしを楽しみ、探求することを目的に活動中。

音楽を聴いたりライブに行く時、曲が自分の好みドンピシャなことはもちろんなんだけど、アーティストの人格に惚れ込んじゃってることが結構あるなーと、この前友達と話しながら考えていた。小説みたいな、何かしらの文章を読む時もその傾向が強い方だとは思うんだけど、音楽って小説の表現よりも書き手の感情や人格的な面がダイレクトに乗っていることが多い印象で、しかもライブハウス行くと感情むき出しの姿が目前にあったりするから、尚更なんだと思う。そのスケジューリングは流石に無理あるっしょ、みたいな過酷なツアーを組んでライブしてる人たちは特に、たとえステージ上でも、これって素の人格なんだろうなーって思うことが多い。これは俺調べだけど。

細美武士を初めて見たのは福岡のイベントで、あれは俺が高校生の時。ELLEGARDENはまだ活動休止中だったな。2ステージ制の大きなイベントで、片方のステージで演奏しながら、もう片方のステージでは次のバンドが機材のセッティングをしているような感じ。隣のステージではKANA-BOONが頑張って演奏してる中、そんな事にはミリも興味がない古くからのファンにワーキャー言われながら、細美武士登場。そん時俺は、重いアンプを抱えてきて自分でセッティングしている彼の姿にめちゃくちゃ惚れ込んでしまった。けっこうな衝撃だった。彼にとってはそれってごく当たり前のことなんだろうけど、どんだけその名が轟いていてもセッティング自分でするんだって、その時点で既に尊敬が始まっていた。あの姿を見ていなかったら俺は、今の自分よりも皆に平等に接することができていないんじゃないかとか、そんな思いがよぎるぐらい人生にとっても大きな瞬間だった。それから俺は大学生になって、桜坂セントラルに彼のライブを友達と一緒によく観に行った。わけ分からんぐらいパンパンに人を詰め込んで演るから、常に酸欠状態で窒息しそうで、終わる頃には皆ボロ雑巾状態なライブだった。心の底から楽しかったな。
バァァァァーーーーーーーーーーァァーーーーーーァァァァーーーァァァンッッ!!!!!!
って爆音が鳴った瞬間、普段不器用に接ぎ合わせて身に纏っていた大人の自分があっという間に吹き飛んで、自然と笑顔が戻ってくる。周りの客も全員そんな感じだった。爆音は人を笑顔にするよな。音が共鳴しないくらいまでハートが硬くなってしまうなんて馬鹿らしいって、いつも思い出させてくれる。

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