エバーフレッシュの種子を発芽させるための3つのコツ

2023/09/12 2024/09/15 エバーフレッシュ

はじめに

サイトを見に来てくれたみなさま、こんにちは!
MELIAMANNA(メリアマナ)代表の有吉です。

MELIAMANNAとは、大学院で植物学について学んだ店主が”衣食住”に植物を取り入れた暮らしを楽しみ、探求することをテーマとして活動しているサイトです。


今回の記事は『エバーフレッシュの種子を発芽させるための3つのコツについて。

観葉植物として大人気のエバーフレッシュがこの記事の主役です。陽が落ちて夜になると、葉っぱが閉じる睡眠運動をすることでも有名ですね(ばりかわいい)。

そんなエバーフレッシュですが、気に入った株を店舗で購入したことはあっても、自分でタネを発芽させて育てた経験のある方はそんなに多くないかと思います。ま、正直面倒くさいし、成長するのに時間もかかりますからね。大切な時間を使ってそんなことする人、なかなかいないですよね…。

しかし!!!
植物をタネから育てるというのは、とっても楽しいことなんですよ。面倒臭さや、時間がかかることへの煩わしさも吹き飛んじゃうほど、楽しいことなんです。しかも、コツを掴んでちゃんと気にかけてあげさえすれば誰しもカンタンにできますし、何と言っても植物に対する愛着の湧き方がケタ違いになりますからね。タネの姿の頃から、さらには発芽したばかりで、か弱く幼い姿の頃から付き合いのある植物とは、ただ買ってきた植物とは比べ物にならないくらいの、強い愛情が生まれちゃうものです。

どうでしょう? タネから植物を育ててみることに少しでも興味が湧いてきましたか?

この記事では、エバーフレッシュの発芽を成功させるための3つのコツや、発芽したての可愛いエバーフレッシュの姿などを紹介していますので、エバーフレッシュのタネをお持ちの方も、そうじゃないけど興味がある方もぜひ読んでみてくださいね!

エバーフレッシュの種子を手に入れた!!

さて唐突ですが、色々ありましてエバーフレッシュのタネをゲットしました。とても嬉しい。日頃の良い行ないが還ってきたのでしょうか。

とはいえ、日常生活でエバーフレッシュのタネを手に入れる機会になど滅多に巡り合わないと思いますので、今即興で誰でもできるタネの入手方法を考えてみると
①大きな株に育て上げ、花が咲いて莢ができるのを待ち、タネを収穫する
②園芸店を巡ってタネがなっている株を探し出し、店員さんに土下座して分けてもらう
③メルカリなどのネットショップで購入する
という3つでしょうか。

もし①②の方法でタネをゲットしようとする場合は、チアリーダーが持っているポンポンみたいな白い花や、かなり毒々しい真っ赤な豆の莢が
エバーフレッシュにくっついていることがありますので、それを目印に探してみてください。花や莢があるということは、もうすぐタネができそうなサインです(ごめんなさい! 今回は花と莢の写真はありません!)。花が咲き、できた莢が熟して螺旋を描きながらパックリ開くと、中から黒くて小さな豆が現れます。それこそが、エバーフレッシュの種子なのです。

というわけで、僕が今回手に入れたエバーフレッシュの種子はこちら!

今回手に入れたエバーフレッシュのタネ。

かわいい。
大きさは1cmにも満たないぐらいです。
かわいい。
外側の皮はツルツルとしていて、光が当たるとテカテカ光っています。
かわいい。

こんなにも小さくて可愛い姿から、ヒトの頭など優に越える高さにまで成長するなんて、なんだかロマンを感じちゃいます。

発芽を成功させるための3つのコツ

ここからは、エバーフレッシュのタネを発芽させるコツについて紹介していきます。

できるだけ早く莢からタネを収穫すること

まず1つ目のコツは、できるだけ早く莢からタネを収穫すること。

これはつまり、エバーフレッシュの真っ赤な莢が熟して裂開して中から黒いタネが現れたら、鮮度を保つためにできるだけ早く収穫してね! ということです。

というのも『エバーフレッシュ Cojoba Arborea (Wikipedia)』を翻訳してみると次のようなことが書いてあります。

エバーフレッシュの種子は莢の成熟後、長期間が経過すると発芽不可能になる。莢に種子が付いたまま10日経過した時点では発芽率80%だが、25日経過すると0%になる。種子の鮮度が保たれていれば、30%の有機物を含む土では、90%の種子が発芽する。

https://en.wikipedia.org/wiki/Cojoba_arborea

つまり、赤い莢が割れて黒いタネが見える状態になってもそのまま放置し過ぎるとタネの鮮度が失われ、発芽できなくなってしまうことが分かります。発芽させるには、莢が成熟して開いてから長くても10日以内に収穫した方が良さそうですね。

もしも他所様からタネをいただく場合や、メルカリで購入する場合は
そのタネは鮮度が良いのか?
莢が開いて10日以上経過していないか?

を確認しておくのが良さそうですね。

質の良いタネを選別すること

2番目のコツは、質の良いタネを選別すること。

熟して開いた莢の中にはもちろん正常で元気な種も入っていますが、2~3ミリぐらいのシワッシワになっちゃったタネが入っていることもあります。このシワッシワの方は、恐らく正常に成長できずに萎んでしまったたタネで発芽は期待できないので省きます。

また、これはエバーフレッシュに限った話ではないのですが、水の中にタネを入れて沈んだものを発芽に使用することですね。この時、水に浮かんでしまったタネがあれば、それは正常に成長できておらず中身がスカスカな証拠。このようなタネも、発芽は期待できないので省いておきます。

良質なタネを選別するために、一晩ぐらい水に浸けておく。
吸水させて発芽しやすくさせる効果もあります。

ミズゴケの上にタネを置き、高い湿度を保つ

3つ目のコツは、ミズゴケの上にタネを置き、高い湿度を保つこと。

具体的な手順としては
①タッパーなどの密閉できる容器に湿らせたミズゴケを敷く
②鮮度の良いエバーフレッシュのタネをミズゴケの上に置く
③タッパーの蓋をして高い湿度を保ちながら、弱い光に当てる
という感じで、このまま発芽するのを待ちます。

ミズゴケの上にタネを蒔いて密閉し、発芽を待つ。

ただポットに入れた土にタネを植え込むのではなく、なぜこのように密閉するのかというと、それは実際に自然の中でタネが発芽する時の環境を再現するため。

よーーく想像してみてください。エバーフレッシュの原産地は、南米の熱帯〜亜熱帯地域。木々が生い茂る蒸し暑い森林の中で、タネが発芽するのは土の上。森林の地表のことを林床(りんしょう)と言うのですが、このような場所は熱帯の鬱蒼とした草木で太陽の光が遮られておりジメジメしていて、弱くて細ーーい光しか当たらない環境。

よってタネを発芽させるためには、高い湿度と強すぎない光が最適なのです。


【補足】
今回は発芽用の資材としてミズゴケを使っていますが、バーミキュライトなどを使ってみても構わないと思われます。先ほど引用したWikiには、”有機物を30%含んだ土で〜〜〜〜〜” と書いてありましたので〈赤玉7:腐葉土3〉などの土で発芽させても構わないと思われます。

タネが発芽するのは、ジメジメして弱い光しか当たらない環境
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発芽してからの様子と、お世話の仕方

可愛い子葉が顔を出す

エバーフレッシュのタネをミズゴケに蒔いてから3日後。タネがど真ん中からパックリと割れて、かわいらしい子葉が少し顔を出しはじめました。というかタネ(つまり豆)の中身は綺麗な緑色なんですね。豆の莢は真っ赤で、豆の中身は緑で…。なんともカラフルな野郎です。

ちなみに、先ほども引用したエバーフレッシュのWikipediaには

エバーフレッシュの種子は、播種後22日後に発芽する。

https://en.wikipedia.org/wiki/Cojoba_arborea

と書いてありましたが、僕が8月に今の方法で発芽させると発芽して子葉が出てくるまで3日しかかかりませんでした。発芽するタイミングは時期や環境によってまちまちなんでしょうね。

タネを蒔いてから3日後。タネが割れて芽が出てきた。

ポットに植え込んで育て上げる

タネをミズゴケの上に蒔いてから約2週間後。発芽して子葉が成長し、根もしっかりの伸びてきたタイミングで、いよいよ植え替えです。

今回は、黒いビニールの種苗ポットに、赤玉4:鹿沼4:腐葉土2ぐらいで配合した土に移植しました。まだまだ繊細な時期ですので、子葉や根を傷つけないように、植え替えは慎重に慎重に。タッパーに敷いていたミズゴケごと土に植え込むと、根が傷つきにくいと思います。

また植え込みに使う土に関してですが、またまたエバーフレッシュのWikipediaを読んでみると

エバーフレッシュは、pH4.8~8.0と、幅広い範囲の土のpHに適応できる。

https://en.wikipedia.org/wiki/Cojoba_arborea

ということが書いてありますので、土の種類は特に選ばないと思います。僕みたいに配合しても構いませんし、面倒臭ければ市販の観葉植物の土でも構いません。水捌けを良くしてあげることだけ気をつけてあげましょう。

また株が小さいうちは特にですが、成長のために水をよく吸う傾向にあるので、こまめに土の様子を観察して水切れを起こさないようにしてあげましょう。ちゃんと明るい場所に置いて風通しを良くしていれば根腐れのリスクはとても低いので、土は濡らしっぱなしでも構いません。

タネを蒔いてから約2週間後の姿。
ミズゴケごと植え替えると、根が痛みにくい。
植え替え完了! 水を切らさないように気をつけて。

成長過程

タネを蒔いてから約1ヶ月後。子葉はしっかりと緑に色づき、もう既にエバーフレッシュの風格をまとってきました。今は2023年の9月。冬が来て休眠する前までに、できるだけ大きく育ててあげたいところです。

そして本当に可愛いのが、子葉しか出ていないこんな小さな時期でも夜になると葉っぱがパタンと閉じる睡眠運動を行なっていること。その姿をじーっと観察するのが、最近の寝る前の楽しみです。愛情が、爆発してしまいそう…。

タネを蒔いてから約1ヶ月後の姿。風格が出てきました。

さいごに

最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました!こんなに小さな姿のエバーフレッシュを見る機会はなかなか無いと思うので、楽しんでいただけたなら幸いです。

皆様も、植物をタネから育てることに興味が湧いてきましたか? エバーフレッシュに限らずともタネから育てられる観葉植物は多々ありますので、ぜひタネから育てる楽しみも味わってみてほしいです。

今回発芽させたエバーフレッシュは、大木目指してこれからも成長過程の写真を追加し続けていこうと思います!

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