真冬の曇天でダークなあなたへ。ベルガモットの精油は曇った気持ちを吹き飛ばしてくれるってさ!

2025/01/12 2025/03/07 エッセンシャルオイル

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有吉 諒真(ありよし りょうま)

福岡生まれ福岡在住。大学時代を過ごした沖縄にて植物の世界に魅了され、植物学で修士号を取得。現在は"衣食住"に植物を取り入れた暮らしを楽しみ、探求することを目的に活動中。

はじめに

さて真冬到来。

自然の摂理と分かっちゃいるけど、相も変わらず曇天ですねー。日照時間が短すぎる。午前9時は夜明けのようで、午後3時は夕暮れのよう。日本の中では比較的温暖な福岡でさえも、ふと気を抜いた瞬間にダークファンタジーの世界へと転がり落ちてしまいそう。

これを読んでくれている皆さんも、もちろん僕自身も、いつも以上に自分の機嫌を取りまくっていきましょうね。

自分はこんな時、沸騰寸前状態の味噌汁や鍋をいっぱい食べるようにして、温かいお茶を飲んで、最低42℃のお風呂に毎日浸かって、ぬくい布団で泥のように眠って、たとえ家の中でも半纏などをしっかりと着込んで、できるだけお散歩に出かけて体を動かして、寒さで強張った身体をストレッチでほぐしまくって、レゲエやラテン音楽を大音量で聴いて、それでやっと、ちょっと気を抜いたぐらいじゃダークファンタジーの世界から飲み込まれなくなる。「冬をどうやって楽しもうかな」って気持ちをキープすることができる。

けど、これだけ自分を甘やかしてあげたとしても、太陽と目線を合わせられない日が何日間も続けば「ヤバい…このままいったら真っ逆さまに落っこちちゃうわ…」って気持ちがよぎってくる。真冬は危険。ほんとどうしようもないですね、人間の身体は。

こんな最終局面を迎えた時、僕の部屋にいつも登場するのがベルガモットやオレンジなどの柑橘系エッセンシャルオイル。こんな救世主的存在が1つでも居れば、ダークに霞んだメンタルにギラギラで爽快な太陽が差し込んでくるんです。

ベルガモットの香りで冬の暗い気分に太陽が差す!

冬の曇天が続き、どう頑張っても気合いの湧いてこない時は、ベルガモットのような柑橘系のエッセンシャルオイルをアロマポットで焚いてみたり、お風呂で洗面器に数滴垂らして香りを楽しんだり、もしくは瓶からそのまま吸引したり。

こうしていると、頭の中に漂っていたグレーな靄がスカーーーッ!!!って晴れる。

マジで、スカーーーッ!!!って本当に聞こえてきそうなぐらいの勢いで晴れる。

そして陰っていたはずのメンタルに柑橘という太陽が差し、頭の中ではなんだか地中海らへんの景色が想像されて、どこからか食欲が湧いてきて、最終的には「曇っとるけどなんとかなるかー」とか「よっしゃ今日もいっぱいやりたいことやろー!」って気持ちが湧いてくる。

これってやっぱり、多くの柑橘類が春〜初夏に開花して、その果実が夏のギラついた日差しを大量に浴びながら成長することも影響しているのかな? そんな果実はたいてい晩秋〜冬に収穫時期を迎え、曇天で落ち込んだ僕らの心を爽快な香りで照らしてくれると。

こう考えると自然って完璧だな。「植物ありがとう」って気持ちしか出てきません。

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ベルガモットの香りがメンタルに与える効果

で、実際に深掘りしてみると、ベルガモットをはじめとする柑橘系エッセンシャルオイルが持つ精神的な効能に関する研究は数多くあって。特に抗不安・抗うつ関連の研究も多い。

そこで探究心満載な読者の皆さまに向けて、そして自分の勉強がてら、ベルガモットの香りがヒトのメンタルに与える効果に関する臨床研究をいくつか載せてみます。

※ベルガモット・エッセンシャルオイル (Bergamot Essential Oil) は、以下よりBEOと表記しています。

寒く長い冬の期間、北欧や英国では抑うつ症の人口が増えます。日照時間の劇的な短縮と関係が深く、SAD(季節性情緒障害)といわれています。その場合、バスオイルで使用することにより、太陽にあたったときのような抗うつ効果を与えることが研究でわかっています。

『アロマテラピー精油事典』

アロマセラピーにおけるベルガモット・エッセンシャルオイルの治療効果に関する10の臨床研究をレビューしたところ、BEOの吸入や、BEOを用いたハンドマッサージは、不安やストレス反応を減少させうることが分かった。

Navarra et al. (2015)

外科手術の術前、BEOによるアロマセラピーを受けた患者さんは、受けていない患者さんよりも、不安の減少や、心拍数・血圧といったバイタルサインの減少が見られ、BEOは術前不安の解消に貢献しうることが分かった。

Ni et al. (2013)

ベルガモットの抗不安・抗うつに関して個人的に面白いなーと思ったのはここら辺でしたね。SAD(季節性情緒障害)を解消するために個人宅で吸引するみたいな民間療法的使用に留まらず、術前不安のような、がっつり臨床な現場での使用も試みられているのには驚きました。

これも植物の多大なる力を皆が認知し始めている証拠なのかなー!? 人間に対するBEOの生理的なメカニズムに関する研究がもっと進んで、現場でも広く活用される未来がやってくるといいですね!

ちなみに Ni et al. (2013) の術前不安に関する研究、BEOが効果をあげたのはもちろんですが、BEOは使わず看護師さんがケアしてあただけでも術前不安の解消に少し効果があった、と書いてあってちょっと笑いました。やっぱ人間の手の温かみって偉大だよなー。


また、ベルガモットだけでなく柑橘系エッセンシャルオイル全般の話で言うと

スイートオレンジ、ダイダイ、マンダリンオレンジ、ベルガモット、ライム、レモン、ザボンといった柑橘類は、抗不安作用に関連する成分を複数含んでおり、今後の薬学的な利用価値が大いに期待される。

Kaur et al. (2024)

とあり、柑橘類のエッセンシャルオイルは全般的に、不安や抑うつの改善を期待して使用されうることが予想できますね。

ミカン属 Citrus では、〈マンダリンオレンジ C. reticulata〉〈ザボン C. maxima〉〈シトロン C. medica〉の3種を原種として長年に渡って交配が繰り返されており、その品種数は1,300にものぼると言われています (Kaur et al. 2024)。

それに従って、製品化されているエッセンシャルオイルの種類も数多く。専門店のページにアクセスしたり、実際に足を運んでみれば、多種多様な柑橘系のエッセンシャルオイルに出会えることでしょう。

気分が曇りがちな真冬だからこそ、ぜひ皆さんも気に入った柑橘系の香りを見つけ出し、温かい心で暮らしていきましょうね!

参考にした文献

バーグ文子, “アロマテラピー精油事典”, 成美堂出版, 東京, 255pp, 2016.

アロマテラピー精油事典

世界中からの天然精油を150種集めて正確なイラストレーション入りで紹介しています。日本で20年間英国IFA認定校を運営している著者が世界中の精油産地を訪ね、3カ国語でリサーチを重ねた集大成をわかりやすく完結に最重要/最新事項を解説。現地に行かなくては得られない情報を満載。一般の方でもプロフェッショナルの方でも参考にできるオールカラーの精油事典です。英国だけでなく、フランス、ドイツの情報にも精通しているため、視野を広げることのできる内容です。日々のアロマテラピーを楽しむため、教えている方はセミナーでの話を膨らませるため、アロマテラピストの方は施術のバリエーションを広げ、クライアントに説明するためにも有用な新しい確かな情報を提供しています。

Cheng-Hua Ni, Wen-Hsuan Hou, Ching-Chiu Kao, Ming-Li Chang, Lee-Fen Yu, Chia-Che Wu, and Chiehfeng Chen, “The Anxiolytic Effect of Aromatherapy on Patients Awaiting Ambulatory Surgery: A Randomized Controlled Trial”, Hindawi Publishing Corporation, 2013.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1155/2013/927419

H. Kaur, U. Kaushik and N. Choudhary, “Therapeutics Effects of the Genus Citrus in Anxiety Disorder”, Journal of Pharmacology and Pharmacotherapeutics, vol.15, no.4, pp373-388, 2024.
https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/0976500X241278037

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MELIAMANNA(メリアマナ)では、植物が持つ治癒力について探究し、それらを楽しみながら日常生活に取り入れるべく、文献の調査や生活での実験を日々繰り返しています。

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