先月の終わり頃、大学の頃の先輩、というかほぼ友達から結婚式に誘われたのをきっかけに、そこそこ弾丸なスケジュールで沖縄を旅していた。卒業のタイミングで離れてそれっきりだったから、約1年半ぶりだったな。
ある程度予想はしていたけど、空港へ降り立った時に思いっきり息を吸い込み、モノレールで美栄橋へ向かうまでの車窓から夕方の那覇を見下ろし、そして平和通りの商店街を初日の安宿へと向けて奥へ奥へと歩いていっただけでも、無茶苦茶な遊び方をしていた時の記憶とか、周りが見えなくなるぐらいの恋をしちゃってた記憶とか、この場所であの人たちと一生記憶に残る話をしたんだよなとか、そういったコアな部分の記憶が大量にフラッシュバックしてきて、顔や身体の全体がジンとしていた。いや、ジンとしていたどころではなく、泣けるもんなら今すぐにでも道端で泣き喚いてしまいたかった。
そんな居ても立っても居られないような感情は2日目の朝にも続いていて、朝の4時には既に目ん玉バキバキの状態だった。けれど4時から出歩いてもしょうがないから、ベッドで横になったまま小説を読むなどして過ごし、陽が昇るのを待ってから散歩に繰り出した。rokkan COFFEEのホットなコーヒーを片手に壺屋の小道を縫うように散歩しながら、さっきまでの小雨でハリツヤが最高級な状態でいらっしゃる植物たちや、瞼を擦りつつゆっくりと動き始める町並みを眺めてまわった。こうしてフラフラと朝をゆくだけで「これだけで十分だ」って思える場所はなかなか無いよな。「またここの生活に溶け込んでみたいな」とも思ったし、例えそれが叶わなくとも「もしどうしようもなくなった時でも、ここに戻りさえすれば自分の大切な部分は絶対に失わないだろうな」とも思った。
また小雨が降り始めた午前9時、予約していたレンタカーを受け取って読谷へ。特にナビを参考にすることもなく目的地へと向かうことができたのが自分でも面白かった。何年もの生活で染みついていたものってなかなか抜けないんだな。道中では市場に寄って、大好きな赤いドラゴンフルーツをはじめとする南国フルーツを買い込んだり(本当はカニステルも食べたかったけど無かった!)、大好きな水円ってパン屋さんに寄ったり、住宅街でバタフライピーの花を収穫しているおばあ達を見つけて微笑んだりしつつ、今は読谷で暮らす友達の家へと向かった。
その友達は、俺が結婚式ついでで沖縄に居るから遊びに行くことを伝えると「ランチ作って待ってるね!」とすぐに返事をくれていて、宣言通りにとんでもなく美味しいランチを仕込んで待ち構えてくれていた。まだちっぽけな自分の世界観をスパーン!と拡げてくれるだけの力を持っている、心から楽しみながら作り上げられた料理を。ランチの後は、俺が福岡土産で持っていった元寇防塁にとどまらず、友達の家にあったタイ料理のスイーツや斑入りのアイスクリームバナナを囲みながら、コーヒーをがぶ飲みして、モリンガティーを試して、お互いの近況を話して、心境の変化を話して、見つめている未来のことを話して、植物の深淵を語り合って、脳みそがキラキラするお話もして。直感が「またどっかで会うことになるよ」ってここまで訴えてくる事ってなかなか無いんだよー。ありがとうって、何回言っても言い足りないな。
3日目は、今回の沖縄旅の本命である結婚式へ。新郎は元バイト先での1個上の先輩であり飲み友達。その頃一緒に働いて、破茶滅茶にアルコールを摂取していた先輩や友達も何人も参列していて、皆散り散りになった今現在まで関係が続いていることが嬉しすぎて、ニヤけが止まらなかった。午前の11時半から始まったはずの披露宴だけど、ずっと騒いでいたらなんだか次の日の朝4時になっていた。
皆との想い出に残る会話、めちゃくちゃ楽しかったな。親族の挨拶回りの時におばあちゃんが授けていたカチャーシー、粋だったな。披露宴のコース料理でも、また世界観が拡がっちゃったな。松山のバーで地元の兄ちゃん姉ちゃんと一緒になって騒いだの、最高だったな。あまりに盛り上げるもんだからそのバーからサービスされたテキーラ、とんでもなく美味かったな。カラオケでひたすら「本人映像ありがとーーーう!!!」って叫んでた地元の兄ちゃん、ずっと元気でいてほしいな。盛り上がったからって最後にサービス券を配ってくれたバーの店長、義理深くて好きだったな。皆との刹那的な会話も、全部書き留めておきたくなるほど価値あるものだったな。
こんなことはもう随分と前から感じているんだけど、この場所や人とは、この先もずっと繋がりを持ち続けるんだろうなって改めて。枝葉じゃなくて、ぶっとい幹みたいな場所。愛で溢れすぎていたよ。