夏に満開だったアデニウムに偶然できていた種子を播いてみると、超可愛いアデニウムが発芽した!

はじめに

サイトを見に来てくれたみなさん、こんにちは!
MELIAMANNA(メリアマナ)代表の有吉です。

MELIAMANNAとは、大学院で植物を学んだ代表が”衣食住”に植物を取り入れた暮らしを楽しみ、探求することをテーマとして活動しているサイトです。


今回の記事は、アデニウムが開花し、種子ができて、それが発芽するまでの物語

我が家には僕がお世話を始めて約3年になるアデニウムが居るのですが、2024年の夏はこれまでにないほどの美しい満開姿を見せつけてくれました。そんなアデニウム、開花後しばらく経ってからふと観察してみると種子ができているではありませんか! 奇妙な形をしたアデニウムの種子に好奇心をそそられつつ、「これは播いてみるしかない」との一心で発芽させてみると、ミニチュア版アデニウムとしか形容しようのない超可愛らしいアデニウムが誕生しました。

そんな開花〜種子〜発芽という植物のライフサイクルはとても美しいものだなと改めて感じたのをきっかけに、今回こうして記事にしてみることにしました。

2024年の夏。満開のアデニウム。

まずは、今回紹介するライフサイクルの1段階目である開花から。

Adenium sp 2024_4
Adenium sp 2024_9
Adenium sp 2024_2
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美しい…..!!!!!

この花を眺めて誰もが美しいと感じてしまうのは、このアデニウムの花が正五角形を描いているからで、正五角形にはありとあらゆる辺に黄金比が内包されていて、ゆえに女性らしさや生命の瑞々しさと結びつけられる…..

みたいなことを語り出してしまうと自分はキリがないので、今日はここらへんで止めておこう。花の形に魅了されて、幾何学ヲタクな一面が出てきてしまいましたw


で、気を取り直してアデニウム。

我が家のアデニウムは、僕が沖縄に住んでいた頃にメイクマンというローカルホームセンターで約3年前に購入したもので、たぶん値段的にタイかどっかから大量に輸入されてきたんだろうなーみたいなやつ。それから1回鉢増して、現在に至ります。購入時にラベルは付いていたのだけど、いつのまにか紛失してしまったので品種名までは分からず。八重咲き品種と書いてあったことだけは覚えている。

だけど今年になって始めて満開の姿を見せてくれたのをきっかけに面白いことが判明して、それは枝によって花の咲き方が変化すること。具体的に言うと、主軸となる一番太い枝からは八重咲きの花が咲くのに対して、側枝からは一般的な一重の花が咲くみたい。つまりは1つの個体で八重咲きと一重咲きの花を両方楽しめるからとても楽しいんだけど、「持っているDNAは同じはずなのに何故こんなことが起きるんだろう?」と頭の中がハテナで一杯になっています。近いうちに色々と調べてみよーっと。

いつの間にか種子ができていたアデニウム

お次は、今回紹介するライフサイクルの2段階目である種子について。

圧巻の開花姿に満足した後は、気分でジャーっと水をかけるぐらいのもんで特にじっと観察することもなかったのですが、ある時ふと上の写真のような果実ができているのを発見しました。そして裂け目が入っていたのでそこから開いてみると、中にはびっしりと種子が詰まっているではありませんか!

アデニウムは、他の個体の花粉が柱頭に付着しないと種子ができないのか(自家不和合性 / じかふわごうせい)、それとも自分の花粉が柱頭に付着しさえすれば種子ができるのか(自家和合性 / じかわごうせい)はまだ検索してないから定かではないけれど、アデニウムが1つだけ居る我が家でこうして種子ができたってことは自家和合性なのかなあ。けれど、今年は4つ花が咲いたのに、そのうちの1つからしか種子ができなかったから、自家和合性も絶対ではないのかなあ。みたいなことを考えていた。これは植物好きの独り言なので、是非スルーしてくださいませw

そしてアデニウムの種子を期待を込めて取り出してみると、初めて対面するそれは、1cmくらいの細長い種子の両端にふさふさの冠毛がついているとっても奇妙な形をしていました。面白いな〜。このように自分の知らなかった面白い発見があった時、「実際に自分の手で植物を育てるって楽しい!!!」と何度も思います。アデニウムの果実や種子がどんな形をしているかなんて、今まで全然知らなかったな。

そしてこの種子の形を見ると一目瞭然。アデニウムの種子は、風によって遠くまで運ばれる風散布であることが分かります。つまりタンポポと一緒。おそらくアデニウムが本来生育している乾燥地帯では、写真のように冠毛の付いた種子が風を受けて地面をコロコロと転がりながら遠くまで運ばれ、どこかの窪みや岩に引っかかったり、もしくは冠毛がポロリと取れたりした場所で、発芽して根を下ろすんだろうな〜と想像できます。

アデニウムの花といい種子といい、自然界のデザインには非の打ち所がありませんね。

発芽させてみると、ミニチュア版アデニウムの誕生

そして最後は、今回紹介するライフサイクルの3段階目である発芽について。アデニウムの種子をゲットできたならば、当然お次は発芽させてみる流れになりますよね。

ここのセクションでは、今回実践した発芽の方法を順を追って紹介してみます。

1. 種子に付いている冠毛を取り除く

先ほど写真を載せた通り、アデニウムの種子には風で遠くまで運んでもらうための冠毛が付着していました。

ただし人間の手で種子を発芽させるにあたっては、次に紹介する浸水の過程があったり、もちろんですが土に埋めなくてはいけません。これらの過程で冠毛は邪魔になるだろうなと思ったので、指でブチッとちぎっておきました。

2. 種子を浸水させる

お次は浸水を行ないます。

浸水の目的は、種子に水分を吸収させて発芽させやすくすることと、水に浸けても沈まないスカスカで質の悪い種子を取り除くことです。

アデニウムの種子は正常で質が良いものでもたいへん軽いらしく、なかなか水の底に沈みませんでしたが、丸2日ほど浸けておくとやっと沈むようになりました。それでも沈まなかったものは質が悪いと判断し、発芽には使用しませんでした。

3. 土に種まきをする

次に、浸水させた種子を土に播いて発芽を目指します。

今回用いたのは〈赤玉:鹿沼:山砂=4:3:3〉の混合土。アデニウムは乾燥・排水性を好む植物なので、山砂を混ぜることで排水性を確保しています。

また「発芽したばかりの植物は細菌やウイルスへの抵抗性が低いため、発芽に用いる土は熱湯や薬剤で滅菌しましょう」などと言われていることも多いですが、個人的には「それらに負けちゃったら負けちゃったでしょうがない」という考え方なので、特に滅菌したことはありません。しなくても、意外と力強く成長するもんですよ〜。

加えて、アデニウムは乾燥・排水性を好むと先ほど書きましたが、発芽したばかりの頃は例外です。まだ株が小さくて保水能力も乏しく、かつ成長のために沢山の水分を必要とする時期なので、例え乾燥を好む植物だとしても、個人的には種まき〜発芽後1年間ぐらいは腰水で管理することがほとんどです。

4. 小さくて可愛いアデニウムが発芽!

種まきをしてから1~2週間も経てば、表土がグググと持ち上がり、超可愛いアデニウムが発芽してきました。

とても面白いのは、発芽して間もないのにも関わらず、大人のアデニウムみたいに幹の部分がぷっくりと膨らんでいること。まさにミニチュア版のアデニウムみたいで本当に可愛い。

今後の成長が楽しみな植物が、また我が家に加わってくれました!

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